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懺悔W:完璧な評価はできない

今回は第四弾!「人を評価できる万能策があると過信した」というテーマをお伝えします。

最初にお伝えしましたが、私は成果主義に惚れこみました。そのシンプルな考え方、理論的なその仕組み、人事制度トータルとしての整合性に魅了されました。その一つとして、正しい目標を掲げれば、現場は正しく動き、その達成度を測定すれば、正しい評価ができると確信していました。でも、それは過信でした。

当時、創業社長から「俺がいなくても、人を適切に評価できる仕組みを導入して欲しい」と依頼がありました。当時の私は「社長の納得がいく評価結果がでる仕組みを作ります」という気構えでコンサルティングに取り掛かりました。その当時は、「成果評価」「職務評価」「姿勢評価」などを取り入れて、それぞれを適切に運営できる現場を作り上げれば、社長の思った評価結果がでるはずだと思い込んでいました。

しかし、どんなに管理職研修を重ねても、役員と一緒に評価の修正をしても、社長の納得のいく評価結果にはなりませんでした。出てきた評価結果を社長が最後に修正するのです。

社長: 「他の会社ではうまくいっているのかね?」

私: 「他の会社では社長は修正していないと聞いているのですが…」

社長: 「本当かね?」

こんな会話をしたことを覚えています。

当時は、目標のウエイトがどうだの、難易度がどうだのとやりましたが、評価制度を細かくすればするほど、適切な評価から遠ざかる気がしていました。加えて、「成果評価」で何点、「職務評価」で何点、「姿勢評価」で何点、だから合計何点とやってもその人なりの評価は出てきません。

経営学で言う合成の誤謬(個別に合理的な評価をしても、その合計は本人の総合評価・人物評価とは違う結果がでてくること)が起きます。人事の皆さんなら経験があると思います。社長や部長から「おやっ、何で彼の評価が1番なんだ」「あいつが上位にいないのはおかしい」と評価結果を非難された経験が…

原理原則論として、優秀な社員には仕事が集まるのです。優秀ではない人材には、簡単な仕事しか与えられないのです。それをウエイトや難易度をいくら工夫しても、正解は出てこないのです。今は断言できます、評価シートの得点の積み重ねで人は評価できないのだと。

しかし、良く考えてみて下さい。社長や部長から「おやっ、何で彼の評価が1番なんだ」「あいつが上位にいないのはおかしい」という相談が来るということは、彼らの頭の中で「山口君は今年A評価にしよう」「佐藤君はもうひと頑張りだからB評価にしておこう」と普段の仕事ぶりで決めているのです。

ここまで明確ではなくても、山口>佐藤という構図(これを相対評価といいます)はできあがっているのです。つまり部長・課長の立場からすると評価はもう終了しているのに、違った評価シートが上がってくるという何とも手間な話なのです。

先ほどの社長に聞いてみると、 「彼は、今まで難関不落だった○○会社の新規を取ったんだ」 「彼女の来年の活躍に期待している」 という仕事論から、 「彼は、今年子供が生まれたからな…」 「彼と彼は同期だから、同じくらいの賞与にしないと…」 「彼と彼女は夫婦だから、旦那の方が賞与を高くしなければ…」 と、成果主義はどこかに飛んでいるような話がでるのです。でもそれが正しい評価なのではないかと思い始めました。

それでは、社長・部長が考えていることをそのまま評価に反映できれば言い訳です。それを公平にしようということで成果主義をいれたのでしょうが、成果主義をいれても公平は手に入らないのです。人事評価は不公平でいいのです。もしかすると好き嫌いでいいのかもしれないのです。戦略が変われば評価軸は変わりますし、社長が変われば評価軸は変わりますし、軸がぶれるものを公平に評価しようとすることが間違えているのです。

ある時、評価することについて気づかされる出来事がありました。ある時、永平寺を訪れたとき時に、道元禅師のメッセージが目にとまりました。「ひとの価値は地位・財産・職業に関係ありません。知識・能力だけでひとを評価すると過ちを招きます。知識を生かす心と行いこそ大切です。ひとの価値は心と行いから生ずるものです」と人を評価することの難しさを説いていました。ひとの価値は、"心"と"行い"から生じるものなのに評価シートという紙切れ1枚で評価する(ひとの価値を測定する)ということはやってはいけないことだとも悟りました。

最後にまとめます。人を評価してはいけないと思います。でも評価をしないと会社は動きません。人を評価するという困難さを理解して評価を運用すべきだと思います。従って、せめて評価シートで人を評価するのではなく、心で人を評価することが大切だと思います。そんな思いを込めて評価システムを作りました。

また、現場で正しい行動・成果が必ずしも評価に必ず結びつくわけではないのです。評価は上司の目線で決まってしまうのです。部下が現場志向・長期志向・全社志向で仕事をした場合、その仕事ぶりを上司が理解できなければ評価は上がらないのです。だから、せめて複数の上司で評価したいと思います。そんな仕組み提案していきます。

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