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懺悔X:人は報酬で心を満たさない

成果主義コンサルタントの懺悔の第五弾です。懺悔ばかりしていますが、今回含めてあと2回です。今回は、「人は報酬で心を満たすと勘違いしていた」という話をします。

成果主義の報酬システムの基本となる考え方は、成果を出した人に給与・賞与で報いるという考え方がベースになっています。会社で働く人間モデルを単純化 し、成果を上げた人を認め、その人に多くの報酬を与えると更に仕事にまい進するという考えがベースになっています。簡単にモデル化すると以下のようになり ます。

  • 成果を目標設定する
  • 成果を測定する
  • 成果を認める
  • 成果に対して報酬で報いる
  • モチベーションが上がる

少し考えたら、人間はそんなに単純じゃないことは皆さん承知の通りです。報酬で動機付けられる人もいるでしょう。経営者にほれて仕事を一緒にやりたいとい う人も、お客様に認められることがうれしいという人も、チャレンジすることが好きな人、上司にほめられて頑張るという人もいろいろな人間がいるのです。そ の動機付けを丁寧に見つけてあげて、適切な動機付けを社員に提供することが経営者・管理職の仕事なのです。

ここに面白い資料があります。リクナビNEXTが定期的に調査している退職者のタテマエとホンネというアンケート結果が公表されています。退職者にタテマエとホンネを聞いている着眼がなんども面白いです。一度ご覧ください。→退職者のタテマエとホンネ

反対に、報酬に対して現場が敏感に動くことも経験しました。この現象が顕著だったのは、生産現場で給与(賞与ではなく)を下げたケースでした。その会社の成果主義導入のテーマは、生産現場で働く社員の報酬を下げる根拠作りでした。報酬が高い=生産性が低いというロジックで、生産部門の社員の報酬削減のため に成果主義をいれるケースが多々ありました。

実際に、生産現場の給与を下げました。そうすると報酬が下がるのに連動して、いやそれ以上に、現場のモチベーションが下がりました。自分だけモチベーショ ンダウンするのではなく、組織に対してサボタージュを働きかけているケースもありました。自分自身が意図してやったわけでないのですが、本人のモチベー ションダウンが組織の悪影響を与えるケースもありました。

なぜ、こんなに報酬に敏感に反応するかというと、現場を観察してこんな推察をしています。

(1)賞与ダウンより給与ダウンに激しく反応する

「給与は毎年上がるもの」「賞与は変動するもの」という固定観念があったからだと思います。特に家計を預かる母親に根強い実感、特に家計を握っている妻に あるように推測されます。給与が下がると、「え?お給料が下がったの?あなた何やってんの?」「これじゃ?家計を切り詰めないと!お小遣い減らすから ね?」と仕事だけではなく、家庭での位置づけも否定される局面を迎えたと思います。これが、耐えられなくても本人のやる気を削ぎ、職場でのモチベーション ダウンも下げたのだと思います。

(2)生産部門でモチベーションダウンが多い

営業部門では給与が下がっても、それほど大きな問題はあまり生じませんでした。営業社員は、自分の成果が自分で分かるので、しょうがないと割り切れる部分があったのかも知れません。成果主義は営業部門ではうまく定着しているケースもあります。それと、仕事のスタイルに大きく関係していると思います。生産部門は、コツコツの積み重ね、そんなに変化がない毎日を送る可能性が高いと思います。どうしても、報酬などに興味がいってしまうこともあるかもしれません。生産部門の社員が、残業手当が1円違うということで、総務課長の自宅に電話があったケースもありました。非常に給与に関して敏感であるという事例です。

こんな現場を見ていると、ハーズバークが提唱した『動機付け−衛生要因理論』を思い出します。よく観察された理論だと感動します。報酬は不満の解消には役立ちますが、モチベーション向上には余り役に立たないのです。目標を達成する喜び、特に職場で目標を掲げ皆で達成する喜び、自分の適性(強み)にあった仕事を通じて楽しさを感じられるような組織作りに貢献していける仕組みを提案していきます。

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