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人材育成主義での人件費コントロール方法

成果主義を導入した企業の人事部長から、こんな相談を受けたことがあります。「総額人件費をコントロールする目的もあって成果主義人事制度を入れた。しかし、実際に運営してみると、これまで以上に昇格者が増えて、人件費が増え続けてしまう。どうしたらいいでしょうか?」と相談を受けました。これまで、説明してきましたが、昇格システムを上手に運用できないために起こっている問題です。

これからは、昇格システムという考え方を軸に「人件費コントロール」について説明を進めていきます。昇格システムを計画的に運用することにより、中期的な人件費コントロールを実現できますので、従業員が50名以上になったら、どの企業もこの考え方を導入することをお勧めします。後半は、この昇格システムを使って職種別賃金に対する考え方の整理もしてきます。

昇格システムのメインツールは「あるべき職種別・バンド別人員構成表」です。簡単に言ってしまえば、この「あるべき職種別・バンド別人員構成」を維持し続ければ、人件費コントロールができるという考え方です。当り前の話ですが、昇格すると給与が増え、賞与の基礎額も増えますので、昇格を計画的に進めていけば人件費はコントロールできます。

「あるべき職種別・バンド別人員構成」をベースに、バンド3からバンド4への昇格対象者が5名選抜されたときに、そのまま全員昇格させても人件費的に大丈夫なのか、それとも3名に絞ったほうが良いのか判断をする材料となるわけです。また、管理職比率を事前に設定することにより、無駄な管理職の増員を防止することもできます。

ここでは、「あるべき職種別・バンド別人員構成」の作成方法について述べていきます。まず、マネジメントコースの人員は組織図に基づいて作成します。これは全社人材育成会議にて描いた組織図から部長クラス=バンド6、課長クラス=バンド5の人数が求められますので、その人数を転記すればいいのです。

続いて、スペシャリストコースの人員ですが、職種を限定したほうがいいと考えます。マネジャーに向かなくても一人で貢献できるとなると営業職・開発職などに限定されてくるでしょう。設定する人数は基本的に0でいいと思います。人件費の相当以上に一人で貢献する人材をスペシャリストとして処遇すればいいのですから、スペシャリストが増えれば増えるほど人的生産性が上がるはずです。

話は脱線しますが、スペシャリスト人材の処遇についてアドバイスします。スペシャリストの定義は、一人の貢献>>本人の人件費が実現できるもしくは実現できる可能性が高い人材のことです。複線型人事制度に移行する時に、どうしてもスペシャリスト=マネジメントができない管理職・間違えて登用した管理職など配置してしまうために、社内からみるとスペシャリストにはなりたくないというイメージを醸成させてしまいます。

今後の企業ではスペシャリストの活躍も重要な方策になるために誤った認識を社内に植え付けたくありませんから、その場合はエキスパートなどの別のコースを設けることをお勧めします。スペシャリストコースは特殊な課題を解決することにより会社に貢献するコース、エキスパートは経験・技能の蓄積により会社に貢献するコースなどと分けて運用することで問題を解決して欲しいと考えます。

エキスパートコースは、対象者が定年を迎える時期に廃止することにより、人材育成主義移行後は真の管理職のみを選抜できる仕組みにしていきます。

それでは、具体的な「あるべき職種別・バンド別人員構成」の作成方法についてご説明していきます。

まずは、職種別に人員についての考え方を記します。

営業職・生産職の人員については、会社の成長・あるべき組織を検討した部長にあるべきバンド構成をヒアリングすることをお勧めします。部長およびエリア長・工場長などにヒアリングするときっちり返答してもらえます。組織のミッション⇒あるべき組織⇒あるべき人員構成と整理していきます。ただし、生産部門にヒアリングするときは、後述する職種別人件費の考え方を共有してからスタートしてください。

開発職の人員の算出は戦略的に考える以外の方策はありません。開発職の人件費=将来への投資ですから、会社の成長・あるべき組織を検討した部長から意見を出してもらい、経営者の意思決定が必要になるでしょう。

最後にスタッフ職ですが、間接部門比率を基準に考えてください。三菱UFJリサーチ&ディベロップメントによると通常の間接部門比率は15%前後、間接部門の簡素化を進めた企業は10〜15%、アウトソーシングなどの戦略的簡素化を進めた企業は10%未満という調査結果を参考にして、12〜13%を目指してはいかがでしょうか。

参考文献:本社改革・間接部門改革への実践ポイント UFJ Institute REPORT 2002.6
http://www.murc.jp/report/ufj_report/703/23.pdf

一方、管理職と一般社員の比率ですが、管理職比率に10〜15%前後が良いと考えます。生産部門の人員が多いと管理職比率は少なくなり、営業部門の人員が多いと管理職比率が大きくなりますが、一般的なメーカーを想定した場合、上記の数字を参考にしてください。

この人員構成に、バンド別年収(案)を加えることにより、総額人件費・一人当たり人件費が求められます。この人員構成に基づいて昇格コントロールをしていくことにより、人件費をコントロールしていくという考え方です。

職種別・バンド別人員構成

職種別・バンド別人員構成
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