トップ > 人材育成主義コラム > 昇格者は相対基準で選抜する
人材育成主義コラムイメージ

本文

昇格者は相対基準で選抜する

昇格者は絶対基準では選抜できないことは説明しました。そもそも我々は神ではありませんから、人を絶対基準では評価できるはずがありません。ただし、会社の人材レベル・戦略などに応じて必要となる人材は相対的に選抜できます。

中国に進出する場合、中国文化・中国語を話せて、自社の商品・製造工程を熟知し、商品企画もできる、折衝力も必要なんでしょうが、そんな人材はどの会社にもごく少数です。そうなると、適任に近い人を相対的に選んでいくことになりますから、相対評価となるわけです。

ここでは、昇格者決定まので流れを具体的に説明していきます。以下の3ステップで説明を進めていきます。

  • ステップ1)職種別(部門別)昇格者数(案)を人事部門で作成します
  • ステップ2)職種別(部門別)昇格者数(案)に基づいて、各部門から昇格対象者を選抜します
  • ステップ3)各部から上がった昇格対象者を絞り込みます

昇格者選抜までの流れ

職種別(部門別)昇格者数(案)については、職種別バンド別人員構成から昇格者数を算出します。求め方は、以下の算式をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

まず昇格者数(案)を各部門に通知するのは、理由があります。一番の理由は、昇格者を相対評価で選んでくださいというメッセージですが、それ以外にもメリットがあります。ひとつは、人件費コントロールが可能であるということです。これはすでに説明している内容です。

ふたつ目が大事です。相対評価こそ人材育成と人材選抜の組織力を強めると考えています。これまでは、部長クラスもしくは課長クラスが昇格申請書を書きだすことがスタートだった仕組みを、管理職全員で誰を選抜するのかを考えてもらいたいのです。

この時に「(相対的に)誰を一番推薦したいか?二番目は誰か?」という議論と、「彼にはこの部分を伸ばしてもらわないと昇格対象者にはできないな」などという共有の成長課題をもってほしいからです。

そんな議論を通して、部門から昇格申請書が上がってきます。昇格申請書は、改めて申請するのでもいいですし、人材育成カルテの一部に申請する機能を盛り込んでいただいて結構です。この時に、人事部門から提示された昇格者数(案)を遵守する必要はないと考えています。2名の枠で、どうしても3名昇格させたいメンバーがいれば昇格申請を上げればいいですし、どうしても1名しか適任者がいないようであれば1名で結構です。

大切なのは、議論をしながら選抜すること、意図を持って昇格者数を決定することです。この機能を持つか持たないかでは、10年後・20年後の人材の質・人件費が変わってくることについて想像の通りです。

最後の昇格者を絞り込むことについては、3つの階層を意識する必要があります。

ひとつ目の階層は、若手・中堅社員のそうです。バンドでいうとバンド1→2、バンド2→3への昇格にあたります。この階層についての昇格に対する考え方ですが、部門の考え方を採用すること、年功序列的な運用でよいということを提案します。

部門の考え方を採用する理由は、この階層については経営層・人事部門からは見えにくいことが一番の理由です。社員の立場から考えても、経営・人事部門の機能などは見えにくいと思います。それでは、部門により不公平があるのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、この時点では不公平でいいでしょう。まずは職場の仲間からサポートしてもらえる人間性・社会性を持っていることも大事ですから。

年功序列的な運営を進める理由ですが、この年代は報酬・昇格などを気にせずに、時間をかけて仕事に打ち込むことが大切だと思います。変に雑念が入る前に、素直に知識の吸収と経験の蓄積を積んで欲しいという願いがあります。

極端な話をすると、30歳手前までは、同期は同じ時期に昇格する仕組みでいいと思います。若いうちから競争競争などと盛りたてるとどこかで疲弊してしまう可能性も高くなります。バンド別人員構成と若い世代の昇格のどちらを優先するかというと、若い世代の同時期昇格を優先して考えていただければ結構です。

ふたつ目の階層は、管理職一歩手前と管理職人材の昇格です。バンドでいうとバンド3→4、バンド4→5への昇格にあたります。この階層は、全社的視点を盛り込むことが重要になります。人事部門の持つ機能として、この昇格を適切にできるか否かが重要なポイントになります。

部門から昇格申請書が上がってきてから、昇格者の絞り込みに入ります。絞り込みには経営者・人事部門の管理職全員であたるべきです。時間と手間をかけるべきです。方法としては、レポートを書かせたり、面談をすることも有効ですが、中堅・中小企業では仕事を通して人材を見極めてほしいと考えます。

特に管理職への登用は時間と手間をかけるべきです。人材育成会議でもご説明しましたが、来期(1年後)の昇格対象者を選抜させます。その対象者が管理職としてやっていけるかを1年かけて、仕事を通して見極めるのです。何か経営的な課題を与えても結構です。思い切って店長に抜擢してみて様子を見るでも結構です。対象者一人ひとりを1年間かけて、管理職なるように育む期間です。

問題があれば指摘し、行動が変われば褒めることにより管理職なるように育成する期間です。その1年を通して人材の見極めをすることをお勧めします。本人に通知すべきか否か悩むところですが、私は本人への通知をお勧めします。期待感が成長につながりますし、何といっても自覚・責任が人を育てます。役が人を育てるといいますが、経験的にこれは本当だと感じています。

3つ目の層は、上級管理職と経営者人材の選抜です。誰が決めるか?というと経営者・経営層で決定します。どのように決めるか?前述の全社人材育成会議で決定して欲しいと思います。
そして、一つだけいいますが、会社経営にとって一番大事なものは「誰を経営者にするか?」です。極端な言い方をすると戦略・資金以上に重要なファクターです。これを肝にして人材を選抜してください。
それと、経営者に大切な資質は、「人材を見極める目があるか?」ということです。この資質がないと大変なことになります。これは皆さんのご想像の通りです。

何度もいいますが、この昇格というきっかけをベースに、人を語り、成長を考え、日々の仕事をとして成長を加速させることが人材育成主義人事制度のベースになります。この部分だけで結構ですので、会社の仕組みに組み組むことをお勧めします。

人事制度や社内研修に役立つノウハウ集をダウンロード!

「人材育成主義コラム」で使用しているチェックシートや評価シートを無料でダウンロードはこちら 人事制度や社内研修に役立つノウハウ集をダウンロードできます。(グローセンパートナー企業サイトへ遷移します)

お問い合わせ

グローセンパートナーへの電話でのお問い合わせは03-6215-8717(平日9〜18時まで)グローセンパートナーへのウェブサイトからのお問い合わせはこちら
社内研修支援サービス