コラム

管理職を見極める10コの質問

コラム記事

2015/06/04

自社セミナー・執筆作業を通して、管理職を見極める10コの質問を考えました。皆さんも是非質問に答えてみてください。

回答に正解はありませんが、こんな視点で変更できたらいいというポイントを盛り込んでいます。 自分自身の振り返りにも使ってください。

Q1:あなたの仕事の内容をわかりやすく教えてください。

管理職になる以上、自分の仕事を分かりやすく第3者に伝えることができることは最低限の条件です。自分の仕事を分かりやすく相手に伝えることができなければ、コミュニケーションにおいて何らかの問題点があると考えていいでしょう。

Q2:あなたの仕事の目的はなんですか?
Q3:あなたの仕事のお客様は誰ですか?

あなたの仕事の目的と聞かれて、明快に答えることは意外と難しいことです。目的と聞かれて、日々の仕事の内容を答えるようであれば、まだオペレーション思考しか持っていない証拠になります。
優秀な回答としては、「顧客」をきっちり定義し、顧客に対しどのように自分の仕事を通して「利益(付加価値)」を上げているかを分かりやすく説明できればいいと考えます。
同様に顧客の定義ができない管理職候補もいらっしゃいます。顧客の定義ができない管理職候補が多数いるということは、顧客不在経営の末期症状でしょうから、経営の質を確かめるいい機会にもなるでしょう。

Q4:お客様への付加価値を高めるためにあなたはどんな改善・工夫をしていますか?

言われたこと・決められたことをこなすのではなく、自分なりの判断基準で改善・工夫していく力が求められます。その改善・工夫を実際の仕事でどの程度実践しているかを把握します。
仕事上で改善・工夫することができていれば自ずと本質を見抜く力も付いてくるはずです。

Q5:あなたの仕事の生産性は上がっていますか?
Q6:あなたの職場の生産性は上がっていますか?あなたはどれくらい寄与していますか?

自分の仕事の生産性が上がっていると答えた人は、心身の健康度、仕事の取組み姿勢、職場への満足度が高いという分析結果(社団法人社会経済生産性本部 メンタル・ヘルス研究所 「産業人メンタルヘルス白書(平成14年度版)」)があり、心理的状況を確認することができます。
仕事の生産性が上がっていると答えたかたに、職場の生産性が上がっているか?質問することにより、どれだけ職場を巻き込んで仕事をしているか判断できます。これも具体的にどんな行動を取っているかを確認することがポイントです。

Q7:普段の仕事を通して、周囲をどのように巻き込んでいますか?

ちょっと漠然とした質問ですが、「巻き込み」というキーワードをどうとらえるかがカギです。上司・関連部署・部下との関わりについて具体例を交えて話すことができれば合格です。実際に職場の変革などを実践していれば更なるステップアップも期待できます。
反対に、上司・部下とのやり取りが報告・連絡・相談の域を超えないようであれば要注意です。

Q8:あなたなりの部下育成のコツを教えてください?
Q9:部下育成の成功事例を紹介してください

部下育成論に正解はないと考えます。何かしらの一般論を言うより、「一人ひとり接し方が違います」「思考錯誤です」というかたが実際の現場で育成に苦労している管理職候補です。
反対に、「部下に任せています」「背中を見せて育てています」というかたは何もしていないと判断してもいいでしょう。

Q10:社長に一つ提言を言えるとしたら、どんなことを言いますか?

最後の質問として最適な質問だと思います。管理職としての軋轢を避けることなく、問題点を指摘できるかどうかという覚悟を判断できます。全社視点・長期視点の発言を瞬時にできれば、将来の経営幹部候補として考えてもいいと思います。
実際に参加している役員に対して、一つ提言させてみるもの面白いと思います。提言通りに実践させてみてもいいかもしれません。
これも回答のレイヤーが人により大きく異なります。自分のことや、職場の限定的な問題にとらわれているようでしたら、違った見方も促してみましょう。