コラム

Vol.81 手法に惑わされる人事担当者

2017/09/13

Index

  1. 手法に惑わされる人事担当者

手法に惑わされる人事担当者

9月8日の夜の楽校で、Yahoo!の1on1ミーティングの取り組みを学ぼう!という勉強会を実施しました。お陰様で、メルマガを出した日に満員御礼という大盛況でした。そこでの話は、次回のメルマガでご連絡します。

勉強会としては、ためになったのですが、少々気がかりなことがありました。

今回の1on1ミーティング(以下1on1)の解説の趣旨は、あくまで1on1は手法であり、その背景にある目的・意義を理解しようというものでした。目的・意義を理解しないで、すぐに手法論に入る懸念があったからです。それもあって、講師から会社が抱える問題・解決策・1on1の設計思想・試行錯誤した点などを説明いただきました。

しかし、質疑応答で参加者から質問は、
「1on1の実施サイクルは?」
「1on1が30分以上の長引いた場合は」
「1on1ができない上司の処遇は」
という手法論の質問が多かったです。1on1が「2週間に一度30分は行うこと」などのルール先行型の施策にならないといいのですが…という懸念が生じました。

はっきり言いますが、社長に人材育成しようとする気がなければ1on1は定着しないです。1on1という成功するかどうか分からない施策に現場の時間を配分するという、経営的な意思決定が必要です。そこには、業績の向上と人材育成が一体(同じぐらい大切)という経営者の信念や確信(+我慢)がないと難しいと思います。

悲しいかな、1on1を人事部長や担当者がやりたくて導入しても、経営側にその信念や確信がないと長続きしないと思います。漢方薬のように2年も3年も成果がでるまでに時間がかかる施策なので。まずは、人材育成のコンセプトメイクが大切かもしれません。

人材育成に対する経営者の理念・思想として下記の書籍が参考になります。
『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む 「発達指向型組織」をつくる』 英治出版

1on1を導入する前に、人材育成について経営陣がこの書籍を読んで、人材育成に関するコンセプトを整理することからスタートでもいいですね。経営者の想いは下記サイボウズ社のサイトも参考になります。
https://cybozu.co.jp/20th/

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