コラム

Vol.92 対話型研修のススメ

2018/10/24

Index

  1. 対話型研修のススメ
  2. 来期の階層別研修を対話型に変えてみては!

対話型研修のススメ

11月の上旬に「対話型研修のススメ」という書籍を出版します。そのご連絡は次回差し上げますが、今回はその内容に少々触れたいと思います。現在、勉強している成人発達理論の考え方もほんのり入れております。

突き詰めると、企業において「本音の対話」ができることが、イノベーションの推進、戦略の実行、組織活性化、人材育成の面で最大の効果を発揮すると思います。しかし、企業においては、部下の本音を聞くと(または上司に本音を言うと)、自分の身に危険が及ぶのではないかという不安から、なかなか本音が言えない環境にあると思います。そういった意味で、本音を聞ける上司側の胆力が必要だなと最近感じております。僕もようやくその胆力がついたかなという感じなので、少しずつその大切さを伝えることができればと思っています。

さて、話は変わって、研修においても対話が必要だと痛感して「対話型研修」という概念を完成させました。

まずは、集合研修の目的から考えたいと思います。eラーニングなどの自己啓発と異なり、集合で研修をやることの意義は何でしょうか?インストラクター養成セミナーでは、「『OJT(職場内教育)』『自己啓発支援』と比較した場合、あえて集合研修を実施することの効果・意義は何でしょうか?」と問い、皆さんに考えてもらいます。

皆さんからは、
○人的なネットワーク作りができる
○各職場でばらつきがある知識・スキルの補正ができる
○社内の組織風土の共有・お互いの価値観の共有ができる
○普段の忙しさから、ちょっと離れて自分を見つめ直せる
○体系だった学びが提供できる
などの意見がでます。

まず、1つ目に伝えたいことは、研修にあえて受講者を呼ぶ意義を考えると、講師が話す時間より、「受講者同士が話をする時間=対話する時間」を最優先する必要がありそうです。極端に言うと、インプットは事前に済ませて、当日は対話のみをすることの方が目的にあっていると思います。

2つ目に伝えたいことは、知識の定着の視点です。講師が一方的に解説すると、知識の定着度は5%程度、グループで対話をすると、知識の定着度は50%程度にあがるようです。研修中に、少し概念的なことを話した後に、「ちょっと私が話した内容をグループで共有してみましょう。感想でも疑問でも結構です」とグループに時間を渡すと、「理解が深まった」「捉え方の交換ができ視点が増えた」
などの感想がでます。

最後に、対話型研修によって成人の発達段階をあげることに寄与できます。日常は、自分が正しいと思って、判断・行動しています。または、部下に自分の正しさを強要しているかもしれません。しかし、自分が正しいと思っていることも単なるその人の固有の「捉え方」に過ぎないことを理解できると判断・コミュニケーションがぐっと変わります。普段、忙しくしているとその捉え方は固定化し、ややもすると枠が狭くなりがちです。また、年齢・経験を重ねるとその枠は厚くなる傾向にあるでしょう。それをほぐしたり、広げたりする機能が対話にあります。自分の捉え方をグループで共有することにより、「そのような考え方があるんだ」「そう捉えるんだ」という捉え方の交換をすることにより、新しい視点を受け入れたり、捉え方の枠を広げたりできます。

「対話型研修のススメ」では、研修の設計方法、研修の進め方などを実例を踏まえて解説していますので、楽しみにお待ちください。

来期の階層別研修を対話型に変えてみては!

そろそろ、来期の研修予算を組む時期だと思います。対話型研修は、特に階層別研修に有効です。階層別研修はスタンス変容が必要なので、対話型研修により、新しい考え方・捉え方を浸透させることができます。

下記のような階層に最適です。
○管理職研修(プレイヤーから将来視点・組織視点への脱却)
○プレ管理職研修(実行系から企画・構想系への脱却)
○若手研修(一人仕事から周囲への巻き込み・後輩指導への脱却)
などが有効です。

先日、等級制度と教育体系の連動性を高めるために、
(1)等級定義
(2)求める行動(行動評価)
(3)求める知識・スキル
(4)必要な研修
を一覧にまとめました。

等級制度と教育体系の一覧表をご希望の方は、弊社までお問い合わせください。

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