コラム

研修の効果測定と定着化について

2020/07/13

研修の効果測定と定着化について

コンサルティングの中で、研修の効果測定について聞かれることがあります。 複雑なビジネス環境下で研修の効果測定を厳密に行うことは難しいですが、「その研修を実施する意味があったかどうか?」「翌年度に向けて改善するべき事項は何か?」など、実務に活用できるレベルでは、十分に実施可能だと考えています。

研修の効果測定についてより詳しく知りたい方は、20ページほどの資料を作成しましたので、ダウンロードしてご覧ください。

研修の費用対効果を明らかにしたい

コンサルティングの現場でよく聞く経営陣からのリクエスト

コンサルティングの中では、人事制度や人材育成について社長や経営陣の方にヒアリングすることがあります。その際、時々「研修の費用対効果を明らかにしたい。」というお話をお伺いします。

費用対効果というと、ついつい金額換算したものを想像しがちですが、よくよく話を聞くと「お金を掛ける価値のある研修とそうでないものを精査したい」「何となく研修を実施する風土を変えたい」というもので、厳密な金額換算を望んでいる方はほとんどいらっしゃらないのが実情です。

また、経営者の方ほど、研修は中長期的な投資であり、即効性を求めるものではない、という姿勢であることも多いです。

とすると、我々に求められていることは、「厳密な効果測定」ではなく、あくまで「実務にフィットするようアレンジした効果測定」であると言えるのではないでしょうか?

研修効果の測定はレベル3「行動レベル」を目指すと良い

この「実務にフィットする効果測定」とは、カークパトリックの4段階モデルでいうレベル3の「行動レベル」です。行動レベルを測定するには、簡易的なものでは「実施後のアンケートやヒアリング」、より数値化したり、精密なものでは360度評価などの活用が挙げられます。

研修効果測定の4つのレベル 、研修の効果測定は③行動レベルを目指す

研修実施前に「研修後に求める行動」を定義する

レベル3「行動レベル」を測定する際のポイントは、実は研修実施前にあります。それは、研修後に求める行動を可能な限り、具体的に定義しておくことです。実施後に、求める行動が実現できていれば成果が出たとみなすことができますし、足りていなければ見直しの材料になります。研修後に求める具体的な行動が思いつかない・考えられない場合は、等級制度を参考にしたり、現場にヒアリングをしたりすると良いでしょう。

なお、ダウンロード資料に「行動変容に至るステップとは?」として、行動変容が起こる順序や要素についてまとめています。この資料を参考に研修や企画の改善を行うと、目指す行動変容に近づきやすくなります。

効果測定を行うと、定着化にも取り組む必要が生じる

定着化に向けてできること

考えてみれば当然のことですが、効果測定に着手すると、定着化にも取り組むことになります。数多くの研究で言われている通り、研修をやっただけでは、多くの場合、職場で学びが実践されないからです。定着化に向けてできることは、研修前・研修中・研修後、それぞれあります。

研修前にできること

数多くの研究で言われていることとして、定着化に最も効果的なのは「研修前の上司への働きかけ」というものがあります。研修に参加するまでに、参加者の上司から、研修への期待やリクエストなどを聞いておき、それから研修に参加する、というものです。こちらについては、グローセンパートナーでもフォローアップシートを作成しています。こちらも自由にダウンロードできますので、必要に応じて活用してください。

研修中にできること

研修中にできることも数多くありますが、最も効果的なのは研修を参加型にする、つまりやらされ感のない研修デザインをするということです。こちらについても弊社では「対話型研修」というデザインをして、講師の力量に依存することなくやらされ感を無くし、参加意欲が増すようにしています。「対話型研修」ついては書籍も出版していますし、定期的にセミナーも開催していますので、ご興味のある方はご参加ください。

なお、弊社の「対話型研修」はオンラインにも対応しており、新入社員研修から役員を対象とした研修まですべてオンラインでの実施実績があります。

研修後にできること

研修後にできることとで最も効果的なことは、フォローアップ研修の場を設けることです。フォローアップ研修といっても、大々的なものを用意する必要はなく、90分程度で研修の内容と実践事例を振り返る程度のもので十分です。90分程度のためにわざわざ集まるのも難しいでしょうから、弊社ではこれまでもWEB形式で実施してきました。

その際、ただ集まるだけでは、やはりやらされ感に繋がりやすいため、弊社ではフォローアップのためのツールを研修毎に作成し、その結果を持ち寄るのがフォローアップの場、という流れを作ることが多いです。こうすると、取り組み事例を共有するため、という目的が生じ、やらされ感の軽減につながるのと共に、実務が忙しくて熱が冷め気味の方でも、同僚がどのように研修の学びを実務に活用しているのか?を聞くことで、学びを活用する意味合いや意義を再確認することができます。

以上、簡単にではありますが、研修の効果測定・定着化について記してみました。より詳しい情報や事例はダウンロード資料に記載がありますので、もしよろしければダウンロードしてご覧ください。
また、弊社での講師育成セミナーでも触れていますので、ご興味がある方はご参加ください。

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