コラム

成人発達理論を管理職・マネジャー育成に活かす
HRカンファレンス2023春を終えて

2023/05/19

5月18日のHRカンファレンスにて弊社島森が『成人発達理論を管理職・マネジャー育成に活かす~マネジャーを忙しさから解放し、マネジメントの質を上げる~』をテーマに 成人発達理論の概要と成人発達理論のマネジメント研修への活用について、お話をさせていただきました。

講演中のチャットやアンケートで頂いたご質問や感想への所感をまとめましたので、ご覧ください。

ご質問への回答と所感

研修の背景になっている論文やわかりやすい書籍を紹介してください。

自我発達理論の紹介
原文です。英語ができなくても、ゆっくりであれば原文を読んだ方が面白いです。
http://onesystemonevoice.com/resources/Cook-Greuter+9+levels+paper+new+1.1$2714+97p$5B1$5D.pdf

日本語で要約されたものです。
http://integraljapan.net/articles/JTA2018EgoDevelopment.htm

書籍の紹介
今回の話の背景の理解が進むと思います。
『組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか「自他変革」の発達心理学』
www.amazon.co.jp/dp/4820719459
『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践』
www.amazon.co.jp/dp/4862761542

いま書籍を書いています
現在マネジメントに関する書籍を執筆中です。自我の話にも触れています。今年の冬には出版される予定です。メルマガで告知します。

自我はなくならないという前提で生きていくしかないのでしょうか?

はい、その通りです。自我は地球で生きるためのパスポートのようなものです。
一生付き合っていく必要がありますが、自我(≒偽物の自分)、真我(≒本当の自分)のどちらが主導権を握って生きていくのかによって、人生はがらっと変わります。
自我を軽減するためのいろいろな方法は、ヨガや宗教学、心理学などどこからでも探求できますので、ご自身の興味がある領域で探求を進めてみてください。

自分は部下からの指摘は歓迎なのですが、自分が部下の立場だと言えなくなります。

上のご質問に関連して、自我と真我のバランスかと思います。
部下から指摘されること嫌だ(自我)<自分を変えたいという想い(真我)
会社を良くしようとする想い(真我)<自分の評価・立場が失われる恐れ(自我)
このバランスで行動を選択していると感じます。誤解が生じないように書きますが、自我の選択をしてもよいと思っています。ほとんと人が無自覚に選択しているので、自覚的に選択できればよいと思っています。

自我を手放す=自分のことも相手のことも受け入れるみたいなイメージで捉えました!

はい、その通りです。これまで自分の身を守るためにいろいろ防具を装備してきましたが、「手放す」=裸になるという感じです。体の力を抜くというか…多分、肩も凝らなくなると思います。

上司を変えようとするのも恐れからくる自我なのかもしれませんね。

研修では、内省型リーダーシップという概念で解説しています。相手を変えるコミュニケーション・マネジメントも大事ですが、自分を変えるスキルも使えると両刀使いになれます。最終的には、自分を変えるのが一番の武器だとわかり始めます。

演習を通して見える化できた気がするが、それでも妄想に囚われ続けそうな予感

自我も妄想もなくなりません。ただ、それを見抜く力は鍛えられます。「おっと妄想が走っていた」など気づけるようになります。そうすると、違った行動が選択できるようになります。1つ1つの選択が変われば、人生も大きく変わりそうですね。

相手を気にしないようにするための訓練などはありますか?

相手が気になるのは自我の影響です。特に相手の気になっている点は、シャドウ的には自分の中にある自分への投影(自己否定・劣等感など)です。気になっている相手から、自分のシャドウを見つけていくこともできます。

最後に

「自我と何か?」はつかみにくい概念かもしれません。私もいま自分でわかっている表現で「自我」を説明していますが、1年後には違った表現になっていると思います。自我の全体像をつかむのは、何年もかかる作業かもしれませんが、その探求は一生遊べますし、人生の可能性を広めてくれます。

弊社では、成人発達理論に関するセミナーを定期的に開催しております。
成人発達理論についてもっと詳しく知りたい方、興味のある方は、お気軽にご参加ください。
https://www.growthen.co.jp/seminar/

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