コラム
成人発達理論を管理職・マネジャー育成にどう活かす?
HRカンファレンス2022秋を終えて
コラム記事
2022/11/08
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11月08日のHRカンファレンスにて弊社島森が『成人発達理論を管理職・マネジャー育成にどう活かす?~マネジメント力向上の鍵は「忙しさからの解放」~』をテーマに 成人発達理論の概要、成人発達理論のマネジメント研修への活用について、お話をさせていただきました。
講演を終えて
今回取り扱ったのは、自己著述段階(4.0段階)という段階ですが、この段階は役員・マネジャーとして大きなパフォーマンスが発揮できる素晴らしい段階です。一方で、主体客体の最大分離、つまり「(自分は)正しい」「(相手は)悪い」という二元論に陥りがちになります。そして、高度なロジカルシンキングができるので、正論を唱えられると誰も反抗できません。周囲は「負け」を受け入れるしか方法がありません。
これが、ビジョンの迷走、組織風土劣化や、部下のモチベーションダウンなど起きる原因になりえます。ただし、本人はそれで「正しい」と思っているので、なかなか他者の意見は受け入れられません。他者の支配下になる恐れや、自分のやりたいことが実現できない恐れ・妄想があるからです。講演では、その構造の一片をお伝えすることができてよかったです。
実は、この段階の方に気づきを促すことは、とても大変です。発達段階の整数、3.0とか4.0は、比較的安定している段階なので、その段階に安定・固執する傾向があります。そして、次の変容は並大抵な道ではありません。
僕も実験してみましたが、仕事を半分にして、旅に出ていました。悶々として、経営者を降りようと思っていました。思考が止まらなくて死のうと思ったこともあります(鬼滅の刃の無限列車編で、夢の中で炭治郎が何度も自分の首を切る感じで死のうと思った)。
つまり、変容は本人にとっては辛いことでもあるので、役員・マネジャーを気軽に変容させたいと思わないでほしいです。変容しないからといって責めないでほしいとも思います。次の段階へは、思考優位から感覚・感性優位にしていくことがカギになります。そういった意味で、今回取り扱った反応や感情に対するリテラシーを上げていくことも必須になります。
今回は”反応”をお伝えしました。よくよく考えると、思考も自分の意志で止まらないこともあるので反応の一種です。よし考えようと考えるのが能動思考(いいもの)、止めようとして止まらない受容思考(悪者)と分けて整理するとよいでしょう。ある意味、この反応的な受動思考が無制限に回転して、ビジネス面で活躍している状態が、自己著述段階(4.0段階)の特徴かもしれません。
講演では、研修内容も事例も含めて、あるがままを紹介しました。それは、コンテンツがあっても、皆さんでは講師ができないと思っているからです。研修やワークショップでは、私がその変容の経験者だからこそ、次のステップにいざなえることができます。衝撃も少なく、軽やかに変容を受け取れるように促すことができます。
講師としてエゴを極小化して皆さんの前に立っている、ある意味で結果がでなくても良いと思っているからこそ、最高の気づきを促すことができます。研修講師として、なんでも表現しても受け取りますよ!というスタンスが必要で、それが研修参加者の皆さんの発言の心理的安全性を担保しています。役員もマネジャーも、自己正当化を破壊させるのが怖いので、自分を変えようとする研修講師に反応・抵抗が走ります。私は、参加者を変えようとしているが、変わることに期待してないで研修に臨んでいます。最後のゴールをあえて描かずに研修しています。そんな一風変わったスキルが必要なのです。
最後に、講演では、「意図行動」と「反応行動」をお伝えしましたが、自分のやりたことを反応がブレーキをかけています。つまり、意図行動をどれだけやるかが、この人生に輝かせるかのカギになります。どのセミナーでも気づきがあると思います。社内に導入してみたい。やってみたいという事例もあるでしょう。でも、「自分の会社に入れるのはハードルが高い」など自己正当性の言い訳を作ってしまうと、せっかくの学び(能力の成長)が無駄になります。
ブレーキを外して、1回きりの人生を楽しみましょう!研修が失敗しても、解雇されませんし、評価も下がりません(下がるか(笑))。
頂いたご質問への回答
Q. 「研修に参加して成果が出ない方」に見られる特徴や問題点を知りたい
①学びを自分の仕事に転換できない
②アクションを行う意味が持てていない
③上司や周囲の環境が学びを活用することを許していない
の3つがあるのではないでしょうか。
グローセンパートナーでは①、②への対応として、フォローアップを最初から組み込んだ研修にしています。結果として、最低も3か月程度、長いと1年ほどの研修になります。単発の研修は、いまはほとんど行っていません。
フォローアップの中では「実践事例のシェア」「やってみての質問や疑問」を必ずシェアして頂きます。そうすると、成果が出ていない方も「あ、こうやればいいんだ!」「こういうやり方があるんだ!」と気づけるので、行動変容が起こりやすくなります。
③については組織風土の問題もありますので、その際は長期的な視点で「学びに対する前向きな文化」を創っていく必要があります。
ただ、すぐにできる施策としては、研修の目的や狙い、上司にお願いしたいことを明確に伝える、があります。グローセンパートナーでは、上司向けの動画を作成し、研修の内容と合わせて、上司にお願いしたいことをお伝えし、かつ、研修後の事後課題として、参加者と参加者の上司の対話を行うプロセスを組み込んでいます。
Q.直接的な売上・生産性向上に影響しないため、研修はムダだと感じる管理職は多い。ここの意識を変える良い方法があれば教えてほしい
成果や売り上げが上がることをイメージできる研修を体験するのが一番早いかもしれません。
例えば、グローセンパートナーでは「ストーリーとしての競争戦略」をベースに、事業の戦略ストーリーを創る研修を行っています。
この研修においてよくある風景が、最初はあまり積極的でなかった方が、自社の戦略がなぜ思うように機能していないのか、どこをどのように変えれば、業績が上がって、かつ、自分たちもワクワクする戦略を描けるのか?を考えていくうちに、どんどん前のめりになっていく、というものです。
人は理屈で変わるのではなく、体験で変わるので、どんな体験があれば管理職は前のめりになるのか?そのためにはどんな要素が必要なのか?を一度考えてみることも必要かもしれません。
詳しい事例をお伝えすることもできますので、ご希望の際はお気軽にこちらからお問い合わせください。
最後に
弊社では、成人発達理論に関するセミナーを定期的に開催しております。
成人発達理論についてもっと詳しく知りたい方、興味のある方は、お気軽にご参加ください。
https://www.growthen.co.jp/seminar/
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