コラム

Vol.31 経営戦略を作るという作業

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2011/02/15

Index

  1. 経営戦略を作るという作業

経営戦略を作るという作業

研修は戦略について話をして、お客様の戦略を作るお手伝いをしておきながら、昨年1年間自社の戦略をずっと捻りだしていました。苦悶の1年でしたが、素晴らしいビジネスモデルができました。その過程で考えたこと・気づいたことをお知らせします。

研修では、戦略を分かり易く伝えるために、
1.新しいお客様を作ること・新しい商品を作ること
2.やることの絞り込み・やらないことの明示
3.会社が目指そうとしてる「変化」が分かること
といった表現で伝えています。例えば、「新事業を作る」という戦略は、上記の1.は○ 2.× 3.は○という判断になります。

新事業は新しいお客様、商品または両方を作ることであり、会社が新規事業を作ろうとしている意思は分かりますが、「新規事業をやらない戦略(同様に営業を強化しない戦略、コンプライアンスを徹底しない戦略なども)」は考えにくいので、戦略を明示しているとは言えないということです。

いい戦略は、エリアが特定されたり、業界が絞り込まれていたり、重点商品が定めっていたり、現場の社員のスケジュール帳の訪問先・時間・会議の相手を変える力を持っているものです。と、良い戦略と悪い戦略の見極め方は分かるのですが、いざ戦略を作ろうとなるとロジカルなストーリーが明示できません。ただSWOT分析をやって、5フォースモデルを考えて、、、などなど机の作業ではないと主張していました。

いざ、自分が戦略を作って整理したことは、戦略の作り方は彫刻を作る作業に似ていると思いました。少しずつ掘っては、新しいエッセンスを入れて、たまには壊し、ある時に偶然に素晴らしい作品ができるイメージです。研究開発とも一緒かもしれません。

私は戦略を作る作業に必要なものは、
1.戦略を考え抜く執念(もしかしたら、経営者にならないとこの執念は出てこないかもしれません)
2.出会い(人と本)
3.ある瞬間の核融合
と思いました。

会社の強みは何だろうか?お客様のターゲットは誰だろうか?などを考えて、いく過程で、自社のビジネスモデルのポイントが明文化され(彫刻に刀を入れるイメージ)、徐々に形が形成されていきます。ただ、全然満足できないので、苦闘します。ずっと戦略のことを考えているので、ある人の言葉、ある本の出会いで、考えがぐっと進むことがあります。そして、偶然に近い状態で、ある日に核融合が起きました。

最後にある本と、ある人の言葉を紹介して終わります。

楠木建著の「ストーリーとしての競争戦略」という本です。最近書店に行ったらドラッカーに続いてビジネス本で3位になっていたので、読まれた方もいらっしゃると思います。分厚くて、内容も濃い(楽しい)のでなかなか読み進みませんが、戦略の作り方のポイントが見えます。戦略を作ることとビジネスモデルを作ることが一緒の作業ということも分かり、経営者が作るもの(経営者しか作ることが効率ではない)だということも分かります。昨日お会いした経営者も読まれており、唸ったまま読み進まないと言っていました。少々高い本ですが、経営戦略で悩んでる方は必見の書籍です。この本が無かったら、新しい戦略は思いつかなかったと思います。

ある人の言葉です。
尊敬する経営者と話をしている時に、「島森さん、15万円で人事制度でたらえんやけどな~」という言葉で戦略の核融合が起きました。
ということで、今年の4月から15万円でできる人事制度を売ることにしました。単なる安売りではなくて、ちゃんと儲かる仕組みです。ご興味のある方は、お問い合わせ下さい。

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