コラム

Vol.86 ティール組織の移行のために

2018/03/22

Index

  1. ティール組織の移行のために
  2. 今までになかった、新入社員のためのメモ帳『casica』
  3. 人事・教育担当者に読んで欲しい書籍『今さら聞けない人事制度の基礎48話』

ティール組織の移行のために

多くの人事部門の方は「ティール組織」を読まれたと思います。この書籍の活用・理解方法について、持論を述べていきたいと思います。

昨年、八木塾(天外塾の中の1つ)に参加しました。そのときに、ホラクラシー的な経営に興味があり、天外さんや八木さんと話をしました。そして、懇親会のときにそれらの経営手法に関して、「手法論ではなく経営者のあり方」だと認識できて腑に落ちました。ティール組織も、手法論ではなく経営者のあり方を変えていかないと、労あって効果がない状況を生む可能性がありますのでご注意ください。(まあ、読めば誰でもそう思うでしょうが)

ティール組織の書籍として賞賛すべきところは、「本当のこと」を述べたという点にあると思います。例えば、「人生は、自分の本当の姿を明らかにする旅」には(P76)、

これ以前の段階では、愛や名声や成功を追い求めていくと、ゆっくりと、しかし確実に、私たちが「他人の顔を身にまとう」ようになってしまう。進化(ティール)型パラダイムでは、内面の正しさを求める旅を続けると、自分が何者で、人生の目的は何か、という内省に駆り立てられる。
(中略)
進化型パラダイムでは、人生とは自分たちの本当の姿を明らかにしていく個人的、集団的な行程とみなされている。

とあります。「エゴを失う恐れを抑える」には(P74)、

私たちが自分自身のエゴから自らを切り離せるようになると、進化型への移行が起きる。自分のエゴを一定の距離を置いて眺めると、その恐れ、野心、願望がいかに自分の人生を突き動かしているかが見えてくる。支配したい、自分を好ましく見せたい、周囲になじみたいといった欲求を最小化する術を得る。
もはや、自分のエゴに埋没しておらず、自分の人生がエゴを失う恐れによって反射的に振り回されることはない。このプロセスの中で、自分自身の深い部分にある知恵に耳を傾けられるようになる。

とあります。

これらを分かりやすく解説すると、自分の中には、
(1)エゴの自分(他人の顔を身にまとう という表現)
(2)本当の自分(自分が何者で、人生の目的と一致している自分)
2人の自分がいます。

そして、
(1)エゴの自分は、反応的に思考・行動を取るため、不本意な現実を引き起こします。
(2)本当の自分は、自分の使命に合致した行動を取るため、至福・豊かさが手
に入ります。

違う表現をすると、
(1)エゴの自分は、周囲からの評価のなかで生きています。
(2)本当の自分は、自分に繋がっているので、自分らしくワクワク生きること
ができます。

分かりやすく言うと、(1)を卒業して、(2)を受け入れましょう。ということです。ただ、これまで正しいと思われてきた組織マネジメント手法が、(1)を誘発する仕組みだったので、(1)で生きている人は法人の中に沢山います。創業者や一部の優秀な経営者が(2)に移行することはできますが、組織の中で(2)の実現は難しいので、シフトした方(女性が多い)は転職や独立をしてしまいます。特に、(1)を手放すと生活できないと思っている人が多いと思います。世の中は、巧妙にそこに気づかないような仕組みになってしまいました。

この話は宗教的な観点、心理学的な観点で、文学も美術も、ずっと言われてきました。それを、組織マネジメントに活用するという時代が到来しただけということなのです。次の時代は、この部分を理解できないと、人の採用や定着、業績を上げることも難しくなる時代になると思います。20~30年ぐらいかけてゆっくり移行する感じでしょうか。

ティール組織に移行し、全社員が自分の使命で生きられるようになると、無駄な仕事をしなくなり、自分の力を100%発揮できるので、組織業績が上がるという構図なのです。しかし、ティール組織への移行のためには、経営者自ら本当の自分で生きる必要があります。僕はこの移行に5年ぐらいかかりました。気づいてはいたのですが、実態を体感するまでには、5年を要しました。頭で理解するものではなく、体で感じるものという点が理解を阻害します。

シフトすると、「お金」「名誉」「支配」などへの興味が薄れ、「大いなる存在」「愛」「許すこと」などが大きな存在になります。
経営者がそこにシフトすると、経営の仕組みがティール型に移行し始めます。その成功例を書籍にまとめている感じです。

僕がやりたいのは、ティール組織を作ることよりも、経営者層のシフトです。そして、そこに自分の使命が宿り、ワクワクすることが分かりました。それが分かった瞬間に、自分の過去はこのために緻密に設計されたものだと認識しました。これからは、そこに向かって、自分らしく生きていきます。

まずは、シフトを体験した方の声をご紹介します(ご本人と分からないように加工しています)。

「言い訳をして自分を騙しながら、それでも一定の満足感を得ていたのだと思います。気づかなければ、騙し続けられれば、それでも良かったのかもしれませんが、自分が生まれてきた理由はココにあったのかもと確信めいたものがあり、もう後には引けません」

「一晩経っても、興奮冷めやらずで昨日は38度まで熱が上がりましたw いま脳ミソがフル回転を始めています。色んなアイデアが湧き出ていて、でも非常にクリアです」

「自分と繋がって、一気に環境が変わって来ています。自分の人生に本当に久しぶりにワクワクしています。ただ正直これからギフトジャーニーが本格的にスタートと思います」

このシフトは、自分のエゴに気づき、それを認識して、弱めることによって引き起こされます。ただし、いつ起きるのはコントロールできません。しかし、その確度を高めることはできます。

【私のやりたいこと】
新しいマネジメントの幕開けとして、
(1)この世界観に共鳴する経営者のもとで
(2)役員・部長クラスにこのシフトを経験してもらい
(3)経営の仕組みを変えることで、会社業績を上げるサポートをしたい
です。

ご興味のある経営者はご連絡ください。

今までになかった、新入社員のためのメモ帳『casica』

今回は、弊社を卒業した松本が開発した新入社員のための、そして指導する側のためのメモ帳『casica』の紹介です。新入社員が最初に取り組む仕事は、上司や先輩からの「指示された業務内容」を正確に把握し、着実に実行し、期待値を超えて完結することです。新入社員の配属後、上司や先輩が「メモを取れ」と口うるさく伝えるシーンも多いでしょう。
しかし、「新入社員がいくら言ってもメモを取らない」「メモを取っても、抜け漏れが多い」という現場からの声があります。
それは、メモの取り方について指導してこなかったからです。

そこで、今までになかったメモ帳『casica(カシカ)』を開発しました。
https://www.casica.me

casicaには、仕事をしっかりと遂行するためのナビゲーション機能があります。5W3Hのチェックリストを活用すれば新入社員にありがちな”抜け漏れ”を防ぎ、業務を確実に完遂できます。一方で、OJTする側のフィードバック徹底や、ノウハウ共有化もできるという優れた機能があります。そして、シンプルです。一度サンプルをご覧ください。

【casicaの特徴】 1~7で、仕事のPDCAを可視化!
1.〈メモ欄〉誰でも抜け漏れを防げるチェックリスト付きメモ欄
2.〈出来ない事を書く欄〉ToDoリストの中で、自分の出来ない事を可視化
3.〈納期欄〉納期と完了報告を明確に意識させるデザイン
4.〈フィードバック欄〉完了報告後の指示者からのフィードバックを記入
5.〈振り返り欄〉自身の振り返り欄を用意、良質な振り返りを習慣化
6.〈ナレッジページ〉仕事を通じて獲得したナレッジ(教訓)を可視化
7.〈月1回の振り返りページ〉月1回の振り返りで、自身の成長を認識

詳しい情報はこちらから。
https://www.casica.me

人事・教育担当者に読んで欲しい書籍

今回は、弊社吉岡が書いた書籍の紹介です。
この時期になると、人事部門に配属になった人向けに何か良い本はありますか?と相談を受けていましたが、いまいちわかりやすい書籍がなくて苦労していました。そこで、吉岡が昨年、人事制度の入門編の書籍を執筆しました。4月に入って新しく人事部門に配属になった方に是非紹介してください。

『今さら聞けない人事制度の基礎48話』
楽天ブックス
https://books.rakuten.co.jp/rb/15192350/
honto
https://honto.jp/netstore/pd-book_28734332.html

初めて人事担当をされる方、経験は積んでいるものの、人事制度について理解を深めたい方向けの書籍です。等級制度から退職金制度まで、Q&A方式に流れるように進んでいくので、とても理解しやすいです。

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