コラム
心の成長/成人発達理論
阻害行動・隠れた目的の見つけ方~部下の話を聞けないのは、上司の無意識な「阻害行動」が原因かも?~
コラム記事
2019/07/31
『なぜ人と組織は変われないのか』ロバート・キーガン (著), リサ・ラスコウ・レイヒー (著),池村千秋 (翻訳)を参考にして、隠れた目的(書籍では裏の目標で解説)を発見するワークをやっています。特に、チームビルディングに有効ですので、役員向けワークショップでは必ず実施しています。
自分にとって一番言いたくない・体の反応がある「隠れた目的」を探すのですが、探求を重ねるうちに、隠れた目的は、身体知を使う(身体反応から発見する)とより発見しやすいことが分かりました。
隠れた目的を探求するワーク
不本意な現実から、隠れた目的を探求します。 実際のワークショップでは、 約30分ほどのワークになります。
隠れた目的を探求したところで、お互いに自分の隠れた目的をオープンにしてみます。本人にとってはかなり勇気が必要な告白です。しかし、いざ共有すると「知っているよ!(ダダ漏れ)」「だから何?(興味なし)」という反応が返ってきて、今まで隠していた自分に、バカバカしくなったり、ねぎらったりする状態を作ることをゴールにしています。
隠れた目的はなくならないので、それを含めて自分だと認識することが1つのゴールになります。
阻害行動が起きるのは、 顕在意識より潜在意識が勝るとき
上司の顕在意識として「部下には主体性を持って行動して欲しい、意見を言って欲しい」と思っていて、それをそのまま行動に移すことができたら、「部下の話をさえぎる」「部下の意見を否定する」という行動は起きないはずです。
阻害行動が起きるのは、下記のような流れで顕在意識より潜在意識が勝る瞬間に起きます。
- 人間が肉体を持つ以上逃れられない、生存本能的な恐れがある
- 生存本能的な恐れを回避したい、隠れた目的が立ち上がる(~したい・~したくない)
- 隠れた目的から衝動的・反応的に起こる阻害行動を起こしてしまう
- 阻害行動を実行することで、隠れた目的を隠蔽できる
- 一方で、阻害行動を実行することで、不本意な現実も起きる
人間は、このような無自覚な行動を習慣的にやっています。この阻害行動が起きる流れを知ることで、無自覚な行動にブレーキをかけることができます。
このワークを継続することで、無自覚な習慣から脱皮でき、随分内省力が変わります。
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