コラム
人材育成事例
【心の成長のデザイン】次世代管理職リーダーシップ開発研修を実施しました
事例・実績
2020/02/27
背景と目的
ある会社で、管理職前の受講者にリーダーシップ開発研修を実施しました。
研修内容としては、組織マネジメント理解・全社視点の醸成という能力の成長の領域と、リーダーシップにブレーキをかけている阻害行動・隠れた目的を理解するという心の成長の領域の両面を扱った研修を実施しました。係長・課長代理クラスの約80名(受講者20名の1日研修×4回研修)に実施しました。
関連会社ということもあり、仕事が親会社から降ってくるので、どうしてもリーダーが育たない企業風土が課題でした。
ビジネスモデルの視点で、リーダーが排出できない要因は下記の通りです。
- 請負業務やお客様への常駐業務が多く、仕事の範囲が固定化しやすい。よって、全社・部門全体の視座が育ちにくい。
- パソコンに向かう仕事が多く、対人コミュニケーションが弱くなる。議論・会話が自然に少なる傾向がある。特に、改善・工夫の視点が弱く、アイデア発想力が育ちにくい。
- 仕事が親会社から降ってくるので、ビジネス創造や業務提案の視点が育ちにくい。
研修では、主体性を発揮しない・問題解決をしない受講者像を問題視されましたが、ビジネスモデル上の影響が大きいと感じました。
人事担当者は、受講者像をみて「問題」を特定しますが、ビジネスの構造などに目を向けないと真の問題が解決できません。
実施した内容と成果
研修は、下記のねらいで設計しました。
研修のねらい
課題設定型の問題解決の手法を学びます。課長代理・主任クラスに必要な全社視点で捉える視座、課題を設定して問題を解決していく手法、成人発達理論の観点からリーダーシップ発揮にブレーキをかける心の構造を理解することで、主体性あるリーダーシップが図れるようにします。
主な内容
①リーダーシップ発揮にブレーキをかける心の構造を理解するために、「阻害行動・隠れた目的」を含めて自分が無自覚な潜在意識のメッセージを理解する。
②課題設定型の問題解決の手法を学び、実際の職場で掲げられる方針に基づいて、実行計画を策定する。
午前中に「阻害行動・隠れた目的」の演習とそれらをお互いに共有しました。
①自分にやりたい・自分がやりたいようにやりたい
②仕事をしたくない
というアウトプットが、他社に比べて圧倒的に多いのが印象的でした。
受講者の皆さんは、今の仕事に飽き飽きしているのだろうなと感じました。ここで、隠れた目的は否定するものではなく、自分らしさであり、自分の中にあると認めるものですと解説しました。
この隠れた目的を手放したとき・解放できたときに、どのような自分らしいリーダーシップが図れそうかという問いを投げかけると、
- 建前ではなく、本音で意見を言う。
- できないことは「助けて」と言う。そして、チームメンバーに助けてもらう。
- やりたくないこと・できないことは「NO」と言う。
- 自分が思った通りに行動してみる。
- 自分を解放して、もっと自由に行動してみる。
という意見がでました。
これがまさに、真のリーダーシップであり、今後必要とされるリーダーシップだと思っています。あるべきリーダーシップ像を押しつけられるより、本人の自分の中にあるものを開放するリーダーシップ発揮が求められる時代になったと思います。
それらを受講者の言葉で言語化できたことが良かったです。
なかなか、新ビジネスの創出や、新しいことのチャレンジ・提案・改善が進まない現状に下記のような質問を投げました。
①現状の仕事を維持していく仕事 ②新しいものを創造する仕事
どちらが楽しいと思う?
この問いかけに皆さんは②と回答しました。皆さんは①に飽き飽きしているので、②を進めた方が楽しい人生が待っているのです。そこが腑に落ちた感じがあったので良い研修になったと感じています。
午後は、お互いの組織の「存在意義」や「方針」を共有することで、会社の全体像をつかんだのちに、課題設定型の問題解決として「MG-PDCAサイクル」を共有しました。
受講者の皆さんからは、下記のような意見がでました。
- 日常の限られた範囲の視点でしかなかった
- 気づいてはいたが、全体で情報を交換すると視野が広がる
- 方針は出ていたが、完全に無視して仕事をしていた
- 会社に戻って、将来に向けて課題解決を進めたい
全体を通して感じたことは、現在の仕事に飽き飽きしている受講者と、どうしても仕事の範囲が限られること、将来に向けた仕事が必要だと認識が薄かったことから、
「職場でリーダーシップを発揮してください」というより、
「職場の仕事を自分が楽しいと思えるように変えてください」
というメッセージを送って研修を終了しました。
次世代管理職リーダーシップ開発研修に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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2025/03/31(月) 開催
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