コラム

人材育成事例
【心の成長のデザイン】経営者ワークショップを実施しました

2020/02/27

心の成長の支援として、経営者のワークショップを開催しています。これは、この10年間ずっとやりたかったワークショップです。

これまで、様々な企業をコンサルティングして、研修も1,000回以上やりましたが、根底にある課題がなかなか解決できないという不満がありました。理由は、その問題の発生起点が、経営層や部長にあることが多いからです。そして、それが自覚的か無自覚かは分かりませんが、経営層や部長はそこには向き合おうとせず、逃げるからです。

上手に逃げるので、手の打ちようがありません。これも、生存本能的なエゴを本人は無自覚に、上手に理由をつけて回避するので、手の打ちようがありませんでした。

少しずつ、そこに勇気をもって取り組む経営者が増えてきました。会社も劇的に変化すると思いますので、しっかりサポートしたいと思います。

背景と目的

今回の案件は、社長から社員のワークショップをやりたいと要望がありスタートしました。社員インタビューからスタートすると、社員は既に疲弊・諦めモードであり、「なぜ自分たちが変わらないといけないのか」と経営者に向けて不満がたっぷりでした。もう既に、心を閉ざして、会社で何が起ころうと、自分たちには関係ないという感じでした。

もちろん、このままワークショップを開催しても効果はなさそうです。そこで、「経営者の変容が先で、社員がその変容を見届けてから、社員向けのワークショップをやりましょう」という提案をしました。社長がこれを快諾しました。

実施した内容

経営者向けのワークショップは3~4回ぐらいを想定してスタートしました。その1回目が終了したので、ここで報告させていただきます。

当日はワークショップが4時間、食事の時間が2.5時間ぐらいと、じっくり時間が取れました。参加者は、社長と専務の二人です。1回目にしては深いところまでサポートができました。特に、懇親会の時間で相当深い部分まで触れて、社長と専務もお互いの内面を開示できました。

【社長の内面】
自分が甘えたいために部下の時間をむさぼっていた社長は、会社・家族に甘えていた自分、かまって欲しい自分に気づけました。更に、社長が「実は、責任を取りたくない」と専務に言えたことが良かったです。

【専務の内面】
思考の世界に没頭していた専務は、自分があれこれ考え、部下に指示を出すことが、会社運営の弊害になっていることに気づけました。そして、自分は「ほっこりとした家」に帰りたい、家がほっこりの状態でなくしているのは自分であると気づけました。専務は、「明日から16時には家に帰ろう」と決めることができました(17時という定時ではなく16時がとても良いと思います)。

自分の固定概念に気づくのは本当に難しいです。今回は内省力のある経営者であり、お互いの信頼関係があったので相当前進できました。

経営者ワークショップの成果

最後に、今回の成功ポイントを整理しました。

1つ目は、事前インタビューをしっかりやり実態を把握できたことです。それをそのまま社長・専務にフィードバックして、社員からどう見えているかを正直にフィードバックしました。ワークショップスタートまで1ヵ月ぐらいあったので、社長・専務が内省する時間が取れたのも良かった。

2つ目は、社長がメンタルモデルを見つめる経験があり、どのような経験をするかを事前に知っていたことです。そこに逃げずに、ワークショップの実施を意思決定したことにも敬意を表したいです。

3つ目は、丁寧に解説しながら進めたことです。事前に約30頁の解説書を作成し、2人に対して、ファシリ3名でそれぞれの視点で話をできたことは良かったです。

現在も、社長・専務とメールでのやりとりが進められ、次回のワークショップが楽しみです。

【社長からのメールの抜粋】
○こちらの「期待」とは違う、「イライラ」という感情反応を引き起こしていたので、要求をまず伝えることが必要だと感じています。
○Aさんの仕事のやり方については、いつもイライラしています。成果や結果に限らず、自分が伝えたはずのことが伝わっていない(伝わったと感じることができない)為にイライラしてしまうと分かりました。
○書くとはっきりするのですが、今の状態に至るまでの過程に、「期待」や「はず」や「べき」が入っているので、それらを取っ払ってきちんと伝える行動をした方が良いことが理解できました。
○相手の行動のせいにしているところも見受けられるので、そこを自分のこととして引き取ってから行動をした方が良いことが理解できました。
○我が家では犬を飼っています。わがままで言うことを聞かないことも多いですが、根本にある私の感情は、「いてくれるだけで幸せ、いてくれてありがとう」です。犬には言葉も通じないし、こちらの「期待」が通じることをそもそも期待していないが故のことなのでしょうか。そうすると、社員に対しても同じ気持ちになることがゴールになるのでしょうか。

経営層向けワークショップに興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

「個と組織の成長を考えるメールマガジン」購読のご案内

グローセンパートナーのセミナー情報や、メンバーによるお役立ち情報をお伝えしています。

登録はこちら