コラム
セミナーレポート
新入社員と現場のズレはどこから生じるのか?
コラム記事
2021/05/12
新入社員と現場のズレはどこから生じるのか?
~塾業界の知見を新人教育に活かす特別なアプローチとは~
4つのギャップから考える「探求学習」と「経験学習」との両立
2021/04/19(月)、2021/04/22(木)に開催
株式会社市進ホールディングスと共催で「【オンライン座談会】新入社員と現場のズレはどこから生じるのか?」を開催し、参加者の皆さんと今年の新人研修について振り返ったあと、市進ホールディングスの細谷氏に「今の新入社員」をテーマにお話いただきました。本記事では、「塾業界からみた今の新入社員の特徴」についてお届けします。
塾業界からみた今の新入社員の特徴
講師:株式会社市進ホールディングス 細谷 幸裕氏
大学時代に彼ら(新入社員)が何をしてたかは知っているが、一方で高校時代、中学時代にどういった教育を受けていたのか、お子さんがいる方は分かるかもしれませんが、一部の視点でしか見えていません。その世代がどういったものに敏感であり敏感でないのか、塾現場での感覚では、明らかに生徒が変わってきています。良い方向に変わってきている部分もあるし、このままで大丈夫かという(心配な)部分もあります。
新入社員は、(これまで)大切に育てられてきました。企業の中でも大切に育てられて当たり前だと思っています。彼らは、そういう企業を選んで入社していると思っています。この会社に入るとどう成長させてもらえるのか?と思っています。(そういう考え方に対し)我々は「甘いぞ」と思うが、ギャップを感じると彼らは(会社を)離れていきます。
新入社員の教育の課題
人事の方は、忙しい中で、時間をかけながら新入社員と接しようとしていますが、彼ら(新入社員)は満たされず、不安を抱えています。彼ら(新入社員)の不安を知ることが大事です。彼らの抱える不安が、失敗を恐れている不安なのか?人間関係なのか?など、もっと分解して考えていく必要があります。
新人たちが感じるギャップの背景にあるものは?
企業の教育体制に対する期待と現実のギャップ
彼らが企業選びで重視しているのは、企業の教育体制。なぜか?我々から見て、反省点になるかもしれないが、個別指導が普及し選ばれるようになりました。なぜ個別指導を選ぶか?保護者からすると「我が子だけみてほしい」、子どもたちは「この先生についていけば大丈夫!」と1対1の関係を望んでいます。潜在意識かもしれないが、特定の人に継続的に育ててもらいたいというような、個の関係を結びたがっています。
理不尽な指示への対応力低下によるギャップ
現場では指示がコロコロ変わったり、理不尽な指示となったりすることがあります。(新入社員は)理不尽さを受け止めがたいのです。彼らは、理不尽さへの耐性が低下しています。会社のために自分が提言しているのに、理不尽に断られると、「なんだよ!」と思ってしまいます。
学校教育と企業内教育
学校教育と企業教育は違っていいが、あまりにも分断が大きいです。学校現場では探究学習が一般的となっています。探求学習は「主体的・対話的で深い学び」をゴールにしています(自分で課題をみつけて、解決していく)。一方で、企業教育では経験学習が一般的。経験学習によりすぎています。彼ら(新入社員)のモチベーションのあがる学習の立て方があるのではないかと考えています。
ビジネスの現場での探求学習はどうすればいい?
探求学習の目的は話し合いではありません。問いを立てることに重きをおくべきです。企業の現場では、ビジネスを見直す、イノベーションをおこす、デザイン思考などで取り入れるのはありなのではないかと考えています。
問いはトレーニングで質があがります。「問いをたてる」ことは、その人の視点・問題意識が入っています。人は無意識に問いを立てていますが、問いは人によって偏りがあります。その偏りを感じるだけでも、問いのトレーニングは、パフォーマンスに影響を与えるのではないでしょうか。
さらに、問いを立てた後、どう解決すればいいかまで考えることが大事です。企業研修では、問いを立てさせた後に考えるための素材は会社側・研修提供側で、用意する必要があります。この資料・素材の中からなど、ある程度制限された中から考えてアウトプットすることが重要です。
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