コラム

相互変容1on1の実践を通して

2021/10/01

執筆者:島森

1on1のレベルを上げるために相互変容1on1というスキルを提供しています。
成人発達理論の発達段階が、意識の器の拡大・認識の枠組みの変化だと定義されているので、1on1を通じて上司・部下との認識の枠組みの変化が起きれば良いなと思っていました。

1on1は本当に効果が薄い?
上司・部下の認識の変化を目指す”相互変容1on1″

一方で、一般的な1on1が、効果が薄い・やらされ感があるなど否定的なマネジャーも多く、それは本質的な1on1を理解していないからだと推察しています。

これを分かりやすいモデルで整理します(下記の図を参照)。

一番、効果がないのが、効果のレベルⅠにあたります。
上司も部下も認識の変化が起きない1on1です。

次に、効果がないのが、効果のレベルⅡです。
多くの上司は、このレベルⅡが1on1の目的だと思っているので、部下にとってはやる気が失せる1on1になります。
この構造は、上司が正しいので、部下を変えるという前提があり、下手をすると上司の認識を毎回押し付けられるので、部下はうんざりすることでしょう。

相互変容1on1で目指すのは、効果のレベルⅢになります。
まずは、上司の認識の変化が先で、上司が変化するから、部下にスペースが生まれて、そこで初めて部下が変容したいと思うのです。

1on1の効果レベルと対話後の認識の変化

相互変容1on1では、部下の話を完全に受け取るスキル・自分の反応に気づくスキル・部下の世界観に立つスキルなどを学び、自分が変わる1on1のやり方を学びます。

相互変容1on1について、弊社で提供している研修内容については、下記ページから詳細資料をダウンロードいただけます。

相互変容1on1に取り組んでみて

自分で実際に相互変容1on1に取り組んだ内容をシェアしたいと思います。

1on1を避ける自分を知る

正直言って、無自覚的に1on1を避けていました。自分が否定されるのが怖いと思っていたのだと思います。僕だけかもしれませんが、多くのマネジャーが1on1は無駄な時間だと言ったり、忙しくてできないと主張したりするのは、根底にこの怖さがあるからかもしれません。

自分の悪さ加減を受け入れる

いつまでも虚勢を張ってもしょうがないと、ありのままの自分を受け入れることにしました。部下から意見や提案(今から思うと別に自分を否定したものではない)が上がると、やけに痛いと感じていました。

自分の内面を丁寧に見つめる

やけに痛いと感じている自分を見つめていくと、肉体的な痛さや、精神的な痛さに敏感な自分がいたのですが、よくよく考えてみると、強烈に痛い体験はしたことがなく、それらは妄想だと分かりました。
つまり、今まで怖いと感じていたのは、どこからやってきたのか分からない自分の捉われだったと気づきました。

部下の意見に耳を傾けると…

自分の中に、自分はマネジメントが下手だという劣等感がありました。しかし、よくメンバーの意見に耳を傾けてみると、僕以上に僕のことを理解してくれていることに気づきました。

直近の1on1では、
・島森さんの表情が明るくなって、良かったと思っています。
・島森さんの本来の良さは、ここにあることは分かっていました。
・島森さんも自分の中で嫌な仕事や、もやもやすることがあったら我々に行ってください。
・グローセンパートナーは心理的安全性が高いと思うけど…
・誰も、島森さんのことを攻撃しようなんて思っていないですよ。
などなど、言葉を聞きながら、自分の中にあるこだわり・劣等感・みんなへの申し訳なさなどが融解していきました。

相互変容1on1は、上司側の変容がスタート

相互変容1on1は、上司側の変容がスタートなので、一見抵抗感があるかもしれませんが、メンバーを受け入れ、自分を受け入れるプロセスで、本当の愛みたいなものが見えてくるものだと思っています。

ビジネスという側面で、信頼関係構築という言葉を超えた、人と人のコミュニケーションの中に愛がある瞬間を感じることができました。

環境変化が激しく、マネジャーは板挟みになり、孤独感・疲労感などにさいなまれていると思いますので、相互変容1on1を通して、マネジャー自身が癒えるときがくればいいなと思っております。

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