コラム
経営者として恐れの悪循環からどう抜けたのか?
コラム記事
2021/10/08
執筆者:島森
自分の中の変容が終わりに近づいている気配もあり、その卒業の意味も込めて、こんな世界に住んでいたことを共有したいと思います。
自分の変容を終わりにするため、そして、もしかすると僕と似たような体験をしている経営者やマネジャーがいたら、ふと立ち止まるきっかけになったら良いなと思っています。
世の中にイライラ。頭の中は、思い通りにならない部下への不満で渦巻いていた
最高にイライラしていた時期は、「車を運転していて、人を轢いてもしょうがない」ぐらいに世の中に対してイライラしている自分に気づき、これはかなり危険な状態だと認識した覚えがあります。
まさに、反応的・エゴ的に生きていました。
まずは、何がそうさせたかというと、
一番、大きな経営的な問題は、自分自身がサービスの商材でもあることです。
- 自分で、マーケティングして、営業して、開発して、研修講師をやる。
- 事業が、人事制度コンサルティング・講師派遣研修・社内研修支援サービスの3事業があり、全部に関わっていた。
- 経営者でもあり、マネジャーを置いていなかったので、すべてを網羅した。
- バックオフィス系、経理や総務的、人事的な仕事もしていた。
週の朝から夕方まではほぼスケジュールが埋まっており、空いた時間で資料作成や雑務的なことをこなしていました。今から考えると、人間が処理できる限界を超えていたと思います。
このような状態が慢性化すると、
- 自分ですべてシミュレーション、段取りをやるので、脳がいつも活性化した状態
- 段取りをしたことをみんなに伝えてやってもらうので、自分の意図通りにメンバーが動かないと怒りを感じていた
- 自分で理解力があると思って、少しの情報で推論して、現実だと思っていた(現実をよく見ていなかった)
- 企画や開発は、最小限の時間で効果的にどうやるかを常に考えていた
- メンバーとのコミュニケーションもいかに最小限にするか、メールなどもほんの一瞬読んで理解したつもりでいた
という完全に思考の世界で生きていました。
瞑想などを始めましたが、瞑想しているとビジネスのアイデアが出てきてしまい、思考に走っていました。マインドフルネスの先生に「島森さんはそれでよいかも」と半分諦められました。
思考の世界で処理をしているのでビジネス面は、そこそこ成果を出せます。
しかし、自分の負荷を最小限にするので、そこそこ以上の成果は出ません。
だから、新しいことをやろうして、自分に負荷がかかります。
メンバーの話も一瞬で処理して、メンバーの感情面まで考慮する余裕はないので、部下の立場に立ったコミュニケーションなんでできるはずはありません。
頭の中は、自己正当化と、自分の思い通りにならない部下への不満で渦巻いておりました。
この状態から抜け出すまでに、2年半の月日がかかりました。まだ、完全に思考の世界からは抜け切れていません。ワークショップやコーチングなど多大な時間がかかり、メンバーに多くの犠牲を払いながらここまで来た感じがあります。
「自分がいないと仕事が回らない」は本当か?
ここまでひどくはないにしても、企業における成人発達理論のオレンジ段階の方は、「成果を創出できない恐れ」から同様の沼に入る可能性はあると思っています。本人も真剣なのですが、自分で自分を忙しくして、おまけに部下も忙しくして、結果としてはマイナス面の影響も大きく創出されてしまいます。
僕の場合は、経営者ということもあり、強制的に仕事を減らし、休暇を取るという選択ができましたが、多くのビジネスマンは難しい選択かと思います。僕が、獲得できた視点としては、「僕が仕事をしなくても、皆が頑張ってくれる(逆に高業績になった)」「自分が会社の仕事を複雑にしたり、忙しくしたりすることに気づけた」「仕事をしなくても、まあまあ生きていけるのではないか」と理解できたことにあります。
経営者・マネジャーの皆さんは、「自分がいないと仕事が回らない」「業績が下がったらどうしよう」など恐れがあるので、なかなか手を抜けないと思いますが、体を壊す前に3ヵ月ぐらいの休暇を取って、体を休め、自分を見つめる時間を取れれば良いな~と思います。
経営者は、自分がいないと会社が回らないと思っているので、後進育成が進まない。
マネジャーは、自分がいないと職場が回らないと思っているので、後進育成が進まない。
その悪循環から抜け出すためにも、3ヵ月ぐらい休むと良いと思います。
自分の固定観念から解き放たれますよ。
近いうちに、経営者・マネジャーの皆さんが自分を見つめる場を提供する「ライフシフトジャーニー(LSJ)ワークショップ」を再開する予定です。「成人発達理論を自社内で実践していきたい」「自分自身の発達に興味がある」という方を対象の成人発達理論ワークショップです。
成人発達理論の実践にトライすることを通じて、成人発達理論への理解が深まるとともに、主体客体を分離させない新しいリーダーシップを発揮できるようになります。単に成人発達理論を学ぶだけでなく、ファシリテーターが自分の人生を掛けて掴んできた、新しいパラダイムで人生を生きるための秘訣をお伝えします。
参考までに前回のワークショップ情報は下記よりご覧ください。
https://www.growthen.co.jp/column/lsj2020/
興味のある方は、こちら からお気軽にお問合せください。
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