コラム
Vol.114 しっかりと評価をしてほしいに応える
メルマガ
2020/09/17
Index
- しっかりと評価をしてほしいに応える
- 『今の評価制度に疑問を感じたら読む本』出版記念セミナー
- リモートワークにおける評価制度の運用の留意点
- 注目のセミナー情報
前回のメルマガで、私が揺れていることに触れて、多くの方から同じような揺れを感じているという激励をいただきました。今、直面しているのが、自分の中にある自己否定感を払しょくして、本当の自分で生きることのトライです。本当の自分で生きる大切さは、皆さんも含めて理解していると思います。しかし、いつの間にか自分からずれて生きてしまい、そのまんまで生きることの大切さを思い出すといった、気づきの連続です。
今回は、この自己否定感と評価について触れていきたいと思います。
1.しっかりと評価をしてほしいに応える
『今の評価制度に疑問を感じたら読む本』をお読みいただいた、ある会社の総務部長から下記のようなメッセージをいただきました。
本書を読んで感じたことは、「人事制度・評価されることで大半の社員が幸せにはなれない」のではないかということです。
本の中にもありましたが、社員の70%は自己否定感が増し、残りの30%も自己肯定感がそれほど上がらないと、人事評価をしていて痛切に感じています。
殆どの社員は評価してほしい、評価されたいと感じています。評価されたいというか、承認されたい欲求があるため、普通・もしくは普通以下という評価によって逆にモチベーションが下がります。そうしないため全員に高評価をつければ良いかといえば、それでは全体報酬が増えてしまいます。
人事評価という仕組みがあることによって、従業員にとってマイナスな効果を生んでしまうことが多くあるように思えるのです。
モチベーションを上げることは難しくても、モチベーションは下げず、社員が満足感・幸福感を得ることが少しでもできる人事制度はないかと思慮しています。
ここまでが総務部長からのメッセージです。
それに対して、私から下記の返答をしました。
人の根底にあるのは、「自己否定感」「自己欺瞞」であると感じています。私も今頃になって、ようやく自分の中にあるそれらを認識できつつあります。「自己否定感」を払しょくするために、これまで頑張ってきました。しかし、本当の自分のユニークさを発揮できないと、100%のパフォーマンスが発揮できないと認識が変わりました。
社員は、「自己否定感」を拭いたく、しっかりと評価が欲しいと言っているのだと思います。しかし、実は「しっかり評価をして欲しい」のではなく、「良い評価が欲しい」「認めて欲しい」というのが実際の心の声だと思います。評価制度を運用しても、良い評価は30%程度の人にしかあげられません。良い評価をもらった人は、「自己否定感」が完全に払しょくできるのかというと、そうでもないので、さらに頑張り続けます。悪い評価をもらった人は、さらに「自己否定感」が強まります。いつかは、頑張ってきた自分に諦め、本当の自分と仕事の自分を分離することになりかねません。
これが評価の限界であり、人間を1つの基準で評価する無意味さを表現していると思います。
社員の本当の声は、「一人ひとりのユニークさを認めて欲しい」だと思います。自分自身もいま、そこを探している感じです。自分のユニークさが見つめられたら、自己肯定感に包まれ、自由に生きられると思います。そして、真にユニークさが発揮できれば、みんなパワフルに生きられると思います。そんなユニークさを見つけられる会社になったらいいですね。これからは、そのような評価制度の設計もやっていきたいと考えています。
そう視点を切り替えた瞬間に、評価制度と報酬制度を連動させることが無理だと気づけます。
2.『今の評価制度に疑問を感じたら読む本』出版記念セミナー
『今の評価制度に疑問を感じたら読む本』の書籍購読者向けに、出版記念セミナーを開催します。
書籍には触れませんでしたが、評価制度運用の視点での「働き方改革」の書籍になります。評価制度運用にかかわるムダな時間の見つけ方・ムダ取りの方法について解説していきます。評価制度運用で生じている問題について、「人間特有の捉え方の違いから生じる問題」を技術的に解決することの矛盾を指摘し、ある程度評価のバラツキは生じることを前提にした解決策を提案します。
「評価制度を緻密に設計すれば、公平な評価ができる」という幻想を手放すことで、評価制度にかかる時間を削減することが主なねらいです。それを技術的に進める方法を紹介します。セミナー後半では、具体的な評価制度改革の流れについても触れていきます。
▼2020/09/24(木)10:00~12:00 オンラインセミナー
https://www.growthen.co.jp/seminar/20200924-2/
▼2020/10/15(木)10:00~12:00 オンラインセミナー
https://www.growthen.co.jp/seminar/20201015-2/
3.リモートワークにおける評価制度の運用の留意点
従来の評価の基本は「部下の日常的な行動をよく観察すること。必要に応じて指導すること」でしたが、リモートワークでは部下の行動が見えなくなります。そこで、リモートワーク時の評価制度運用の留意点について書きます。
(1)期初の段階で上司・部下間で期待値について合意する
今までのように、あうんの呼吸のコミュニケーションができにくくなります。上司・部下間で期待値をしっかり合意することや、こまめに進捗管理することが大切です。
- どのような仕事や役割をいつまでにどのレベルまで果たしてほしいか(=何をどこまでやれば評価されるのか)を期初の段階で上司・部下間で合意する。
- 上司が求めていることと部下が認識していることにずれが生じないように、日常のメール・電話・WEB会議等のやり取りの中で、都度認識をすり合わせる。
(2)丁寧にコミュニケーションをとる
今までは、仕事の合間やランチを取りながら、仕事の確認や顔色から体調の確認ができました。WEB会議越しでは伝わらないこともあるので、丁寧に情報収集をしましょう。
- 日々または定期的にコミュニケーションし、日常の業務の進捗が期待通りであるかを把握する。
- 必要に応じて部下自らが報告・連絡・相談をしてくるか、WEB会議や電話を介してでもしっかりと周囲や関係者と交渉・調整を行っているかなども評価の判断ポイントとする。また、その旨を事前に部下にも伝えておく。
- 業務に直接関係のない雑談や中長期的なキャリア志向の把握なども行い、部下の価値観や思考パターンへの理解を深めておく。
- リモートワークで働き方が変わったことで、仕事環境が変わっている人もいます。モチベーションの低下などがないかもこまめに確認することが大切です。
(3)部下のアウトプットで判断する
リモートワークが進み、一時的には評価が難しいと感じていると思います。しかし、仕事なので成果・アウトプットで評価することは当たり前なので、逆に明確に評価できる仕組みが進むと感じています。
- 頑張っている/行動している“雰囲気”ではなく部下が実際に出してきたアウトプットや行動の結果について評価する。
- アウトプットイメージについては対面時以上に丁寧かつ頻繁にすり合わせ、イメージも口頭だけで伝えるのではなく、可能な限り可視化しておく
- 〔例〕業務遂行力:部下が出してきたアウトプットの品質・量・期限は期待に対してどの程度だったか。
- 〔例〕改善力:従来の業務方法に通りであっても非効率的な部分を放置して業務を継続していないか、効率化に向けた提案があったか。
どの視点にしても、これまであいまいなマネジメント・コミュニケーションで許されてきた分野に関して、よりマネジメント力・コミュニケーション力が求められます。逆の表現をすると、評価制度の運用のためには、マネジャーの力量や成熟度が求められる時代になってきたと思います。
各社で、リモートワーク中でもチーム業績を上げて、コミュニケーションが上手なマネジャーを抽出して、どのようなマネジメント・コミュニケーションをしているかを可視化・形式知化することも大切だと思います。
4.注目のセミナー情報
■社内研修内製化を進めるポイントとやらされ感ない研修の組み立て方
【日時】2020/09/29(火)10:00 ~ 12:00
【会場】オンラインセミナー(「Zoom」を利用して実施します)
【費用】無料
【申込】https://www.growthen.co.jp/seminar/20200929/
■成人発達理論の階層別研修への展開
成人発達理論(心の成長に関する考え方)による人材育成の可能性と事例紹介
【日時】2020/10/15(木)13:30~17:00
【会場】オンラインセミナー(「Zoom」を利用して実施します)
【費用】無料
【申込】https://www.growthen.co.jp/seminar/20201015/
■【人事制度セミナー│教育体系編】
教育体系が半日で完成できる~人事制度と人材育成を連動させる方法~
【日時】2020/10/16(金)14:00~16:30
【会場】オンラインセミナー(「Zoom」を利用して実施します)
【費用】無料
【申込】https://www.growthen.co.jp/seminar/20201016/
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