コラム

Vol.149 そろそろ評価制度を手放す時期では?

2023/03/24

Index

  1. そろそろ評価制度を手放す時期では?
  2. 【夜の楽校】 賃上げ・初任給上げにどのように対応すべきか?
    賃上げにお悩みの人事担当者と人事制度コンサルタントとの対話で考える
  3. 【夜の楽校】 LGBTの当事者&プロフェッショナルが語る
    企業におけるLGBT対応のポイント

そろそろ評価制度を手放す時期では?

弊社では評価制度の構築をしていますが、私は評価したり、評価されたりという経験がほとんどありません。出光興産時代は、大家族主義を前提に、家族の一員に出来が悪い兄弟がいても育む、給与は生活給であり、成果は機会で還元するという考え方が根底にありました。評価制度が動いていましたが、評価のフィードバックを受けたことがありませんでした。人事制度のコンサルティング会社では、年俸を決める面談はありましたが、目標管理や能力評価などの評価制度はありませんでした。力量は一目瞭然でしたが。

今の会社も、一度も評価制度を運用したことがありません。評価制度を専門に扱うプロフェッショナルだからこそ、人が人を評価する限界を理解しているからです。

評価制度はもう時代遅れの産物だと思います。報酬を決めるために何らかの仕組みは必要ですが、評価制度の限界は誰もが感じているでしょう。評価制度の構築にお金をかけたり、評価制度の運用を定着させるための評価者研修も、いつまでやっても終わりがないことを、そして効果がそれほど上がらないことを、そろそろ認めましょう。

17世紀にスタートした近代合理主義(物ごとを因果関係で説明し、量でもって測るというやり方)が、経営学にも大きな影響を与えました。日本では、1930年代に科学的管理法の手段として、評価制度がアメリカから輸入されたようです。

時代は、多様性を活かし、差別をなくす時代に入りました。分断から全体性の時代に入りました。経営視点からも、人を歯車ではなく、有機的に結合させる機能の一部と捉え方が変わりました。よく考えると、多様性と言いながら画一的な能力評価をするのはおかしいですし、評価制度を運用する時間を、一人一人の個性と力量を活用していく施策に変えた方が、個性が発揮され、業績が上がると思います。

評価によって、評価する側・される側、良い評価を得る人・悪い評価を受ける人の分断が起こり、組織を1つにすることへの弊害があるように思います。できる人ができない人を批判するのではなく、お互いに手を差し伸べ合える組織風土にしたいです。

マネジャーは忙しいです。できる限りやることを減らすことが大切です。マネジャーの時間の中で、おおよそ5%が評価制度の運用に消費されています。この時間を部下としっかり接する時間に転換できたらよいと思います。

最近感じていることがあります。
それは、人は自分の内面を上手に表現できないということです。

「評価が欲しい」という社員の声に従って、評価制度を構築しても、社員に「あなたは、C評価です」と伝えた途端、「評価制度の仕組み・運用が悪い」という要望があがります。本人が欲しいのは、存在承認です。だけど、「私を承認してほしいです」とは誰も言わないので、社員の要望に誤ったアプローチをしてしまうことが多いと感じています。承認してもらえる面談や1on1などのコミュニケーションの時間を増やせば、そのような声はなくなるでしょう。

会社は人を動かして成果を出す以上、人間の本質を理解して、そこに向けた経営ができればと思っております。試行錯誤しながら、その解を探していくのが経営の醍醐味でもあります。

弊社のお客様の中には、「評価しないこと」の検討を進めている企業もあり、実際に評価を行わないことに同意したうえで進めているプロジェクトもあります。また、評価しない制度を検討するプロジェクトもスタートしそうです。
このような取り組みに興味を持たれた方は、お気軽にご相談ください。
https://www.growthen.co.jp/inquiry/

賃上げ・初任給上げにどのように対応すべきか?~人事担当者と人事制度コンサルタントとの対話で考える~

「賃上げ・初任給上げにどのように対応すべきか?」をテーマに、人事評価制度のコンサルティングを手掛けてきた島森・吉岡が、悩みを抱える皆さんと一緒に対話したいと思います。

皆さんご承知の通り、物価高に対する対応や初任給の急激なアップが進んでいます。競争力があるベンチャー企業や体力のある大企業は、即時に賃上げ対応をしていますが、そこまで踏み切れずに、悩んでいる人事の方も多いのではないでしょうか。

・賃上げの水準を決めるためには、何を考慮すればよいのか?
・賃上げの原資の算出方法や、どこから原資を確保すればよいのか?
・賃上げに関して、他社はどう考え、どう対応しようとしているのか?
・初任給アップに対して、現状の賃金カーブをどう変えればいいのか?
・経営層をどう説得すればよいのか?
などのお悩みを抱えていると思います。

弊社からは、賃上げの動向などの情報を提供し、その後は皆さんが抱える悩みをテーマに対話形式で進めます。お互いに情報交換しながら、方向性を見いだせればと考えています。

▼【夜の楽校】 賃上げ・初任給上げにどのように対応すべきか?
 賃上げにお悩みの人事担当者と人事制度コンサルタントとの対話で考える
日時:2023/04/20(木)20:00~21:30(最大22:00)
申込:https://www.growthen.co.jp/seminar/20230420/

LGBTの当事者&プロフェッショナルが語る「企業におけるLGBT対応のポイント」

一般社団法人日本LGBT協会の代表理事を務められ、企業への講演やコンサルティングを行っている清水展人さんをお招きして、これから求められる「LGBT対応のポイント」についてご紹介いただきます。ご自身もLGBT当事者ということもあり、理屈・理論的な側面だけでなく、体験に根ざしたお話になるかと思います。

LGBTの方は、全人口の10%程度いらっしゃるそうです。そう考えると、皆さんの会社にもLGBTの方がいらっしゃる可能性は極めて高いのではないでしょうか。

以下のような意識がある方はご参加ください。
・LGBTについて対応が必要だと考えているが、
 具体的に何をしたらいいのかわからない
・人事制度にLGBT対応を盛り込みたいが、
 具体的にどうしたらいいのかわからない
・上司や経営陣にLGBTについての理解を啓蒙したい
・LGBTの方々がイキイキと働きかける環境づくりに関心がある
・優秀なLGBTの方を採用していきたい
・LGBTの方への最低限の対応だけでなく、LGBTの方が活躍する会社を創りたい

▼【夜の楽校】 LGBTの当事者&プロフェッショナルが語る
企業におけるLGBT対応のポイント
日時:2023/04/27(木) 20:00~21:30
申込:https://www.growthen.co.jp/seminar/20230427/

「個と組織の成長を考えるメールマガジン」購読のご案内

グローセンパートナーのセミナー情報や、メンバーによるお役立ち情報をお伝えしています。
グローセンパートナーのセミナー情報や、メンバーによるお役立ち情報をお伝えし。

登録はこちら