コラム

人間の進化と思考プロセス ~「直感・創造性」を活用していますか?~

2019/09/06

人間は下記図のように進化してきたと言われています。また、進化に応じて、思考プロセスも下記のように変化してきたと『クロニンジャーのパーソナリティ理論入門』木島伸彦 (著)にて述べられています。 

ここでは、「習慣」「論理」「直感・創造性」の3つについて触れたいと思います。 

甲骨魚・両生類時代 に身につけた「習慣」

人間は、エゴ的な反応をするときがあります。それは、大勢の前で緊張したり、会議でのどまで出かかった意見を抑圧したり、部下の意見を思わず否定したりなどがエゴ的な反応にあてはまります。エゴの反応は、自分の意図とは反して、体が反応してしまうものにあてはまります。ちょっと横道にそれますが、緊張は自分ではコントロールできないのと一緒で、パワハラ行動も自分ではコントールしにくい体の反応だと思っています。 

このエゴの反応が、甲骨魚・両生類時代に身につけた「習慣」だと思っています。生存本能に近いと考えています。動物は危険(敵など)に遭遇すると、「攻撃する」「逃げる」「静止する」の3つの行動しかとれないと言われていますが、その行動に近いと感じています。さすがに、現代は自分の生存に関わる危険に遭遇することは少なくなりましたが、この生存本能が「正しさ」に変わって、我々を支配するようになりました。「正しさ」とは、「自分の価値発揮をしたい」「自分の居場所確保がしたい」という隠れた欲求だと考えてください。それが侵されそうになると、体が勝手に反応してしまい、自分が意図しない行動が生まれるようです。 

人間の脳の中心部分は、原始爬虫類脳と呼ばれる部分であり、反射や生命維持などに関わる脳幹や大脳基底核などがあります。この部位が、もしかすると我々のエゴ的な行動を支配しているかもしれません。このエゴ的な行動をある程度コントロールできるようになることが、心の成長の側面でも必要です。以前パワハラだった上司が行動変容するのは、そのエゴの存在や体の感覚に気づくからかもしれません。 

霊長類が獲得した「論理」 、そしてホモ・サピエンスが獲得した「直感・創造性」

続いて、霊長類が獲得した「論理」について、触れていきます。いくつかの実験で、霊長類が心の論理(相手の視点で判断するなど)を持っていることが明確になっているようです。もちろん、我々がビジネスの場面で活用している論理的思考とは異なると思っています。 

普段、仕事の場面で「直感・創造性」を活用していますか?という問いかけに、多くの男性は首をかしげます。一方で、女性は活用していると主張する方も多少いらっしゃいます。しかし、多くの人は認識をしないだけで、直感や創造性を活用していると思っています。実は、私も論理を仕事にしていたので、かなりロジカルかと数年前まで思っていました。しかし、ロジカルシンキング研修でいつも感じていたことは、自分が使ってないスキルを受講者に教えるのは抵抗感があると感じていました。 

しかし、ビジネスの世界で、ホモ・サピエンスが本来獲得した「直感・創造性」を活用する場面は少ないように感じています。折角獲得した思考プロセスなので、「直感・創造性」をもっと大切に活用した方が良いというのが、今回のコラムの一番の主張です。 

ある時に自分の思考プロセスを追ってみると、着想は直感で決める、相手に話すときにロジカルに伝えていることに気づきました。お客様に提案するときは、思考で処理するというより、直感的にひらめいている感じが多いです。多くの皆さんもそうかもしれません。 

最後に

多くの人は直感で物事を発想している可能性があります。そのままそれを言葉にすれば良いですが、相手の反応を考えたり、自分の保身を考えたりすると、エゴ的な反応が加わり、反応が鈍ると思っています。鈍るというより、間違えると思っています。そういった意味で、稟議書に「直感でそう判断したからです。」と書けるような世の中になったらよいなと思っていることをお伝えして終わりにします。

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