コラム

「職種別・等級別人員管理表」を活用した昇格者数の管理について

コラム記事

2020/02/19

昇格者数管理のために、格付け決定権は「人事部門に集中」しなければなりませんが、昇格・降格の決定権は、人事部門に集中させているでしょうか。

「昇格者数管理」「格付け決定権の人事部門への集中」のために、一番やってはいけないことは、部門長が昇格推薦書を提出して、それを役員が承認するという流れです。昇格推薦書は否認されることが少なく、人事部門の関与・管理することがなく、部門長のなすがままになってしまいます。

昇格者数管理に必要なツールとして、下図のような職種別・等級別人員管理表の作成をおすすめします。この管理表を作成しておくことで、職種別・等級別の昇格者数を予算管理し、最終的に一番下の【管理指標】の欄の一人当たり人件費の変動を最小化することを目指します。一人当たり人件費が固定化できれば、理論上、人件費管理は採用・退出管理のみでよいことになります。また、各職種で等級ごとの構成比を変えることにより、職種別賃金を導入しなくても、職種別に平均年収の差をつけることができます。図では、営業職・開発職は平均年収が5.5百万円になっていますが、生産職は4.8百万円に抑えるなどの工夫ができます。

職種別・等級別人員管理表の作成方法

① マネジメントコースの人員

マネジメントコースの人員は、組織図に基づいて作成します。部・課の数=部長・課長の人数は組織論で決まります。

② スペシャリストコースの人員

スペシャリストコースの人員は、マネジメント不適格人材が増えないように、職種を限定したほうがよいと考えています。一人で年収の5倍以上の直接貢献(売上や利益の貢献)ができるような営業職・開発職・マーケティング職・店舗開発職・コンサルタント職などに限定するとよいでしょう。スペシャリストの定義をしっかりして、相応の人数を想定してください。

③ 管理職の比率

管理職の比率は、生産部門を抱えるメーカー・店舗を構える飲食・サービス業では10%以下、それ以外の業態では15%以下が1つの基準になるでしょう。

④ 営業職・生産職の人員

営業職・生産職の人員は、部門長に等級別の必要人数を質問すると、おおよその目安を把握できます。

⑤ 開発職の人員の算定

開発職の人員の算定が一番難しいです。開発部門は戦略的な投資部門なので、経営層+開発部門の部門長を交えて、中長期的に想定するしか方法はありません。

⑥スタッフ職の人員

最後にスタッフ職の人員ですが、直間比率など統計データが参考になります。ただ、会社によって直接部門・間接部門の定義が異なるので参考値として考えてください。間接部門の比率は、一般的には20%程度です。間接部門の簡素化を進めている企業は10~15%、戦略的にアウトソーシングやBPO(Business Process Outsourcing)を進めている企業は10%未満にすることも可能です。表の右下にあるように「職種別人員構成」のような指標を管理することも有効です。

職種別・等級別人員管理表はexcelデータでダウンロードいただけますので、是非ご活用ください。

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