コラム

人材育成コラム
グループリフレクションの効果「PDCAサイクルの定着」

2023/12/26

グループリフレクション(以下、グルリ)は、PDCAサイクルを回すための仕組みで、2週間に1度、1チーム4人のグループでリフレクションを行います。自分自身の振り返りと他メンバーからのフィードバックを通して、お互いの成長を促す効果を期待できます。このコラムでは、グループリフレクションの効果「PDCAサイクルの定着」ついて解説します。

【関連コラム】
 ・グループリフレクションとは(グループリフレクションの概要はこちらをご覧ください)
 ・グループリフレクションの効果「心理的安全性の向上」
 ・グループリフレクションの効果「経験学習の定着」

Index

  1. ありたい姿へ向かうMG-PDCAサイクル
  2. グループリフレクションでPDCAサイクルをまわす
  3. 個人のPDCA実践をグループ共有するメリット
  4. グルリをとおして「ありたい姿」「PDCAサイクル」を体験的に理解する

ありたい姿へ向かうMG-PDCAサイクル

PDCAサイクルの定着を促進するために、我々は「MG-PDCAサイクル」という概念を提唱しています。Planを策定する前に、上位方針であるMissionを咀嚼し、会社・部門がどの方向性に進もうとしているかを理解したうえで、自部署のありたい姿(Goal)を掲げます。そして、Goalと現状のギャップを埋める方策を考えることがPlanです。PDCAサイクルの前に「MG」を加え、「MG-PDCAサイクル」と呼んでいます。MG-PDCAサイクルはまさに未来を創造する経営システムです。

MG-PDCAサイクル(クリックすると大きく表示されます)

グループリフレクションでPDCAサイクルをまわす

グルリでも、このMG-PDCAサイクルの考え方を応用しています。
最初に、
・部方針など1年後ありたい姿(Mission)
・部署の3か月ごろのありたい姿(Goal)
を設定し、2週間に1回のサイクルで
・次回までにやろうと思っていた実行計画(Plan)
・今回できた実行と成果(Do)
・検証・振り返り・内省・相談ごと(Check)
・次回までにやろうと思っている実行計画 (Action)
を振り返りシート(グルリシート)に記入し、グループで振り返り(グルリ)を行います。

基本的なグルリシート(振り返りシート)

個人のPDCA実践をグループ共有するメリット

グループのメンバー間でお互いの2週間のPDCAサイクルを共有することにより、下記のようなメリットがあります。

  • お互いの体験を参考にしながら、PDCAサイクルの概念を実務として理解できるようになる。
  • お互いのやっていることや困っていることの見える化が図れる。
  • (管理するというより)協力的にPDCAサイクルを回すことができる。
  • 困っていることや相談ごとに対して、アドバイスや支援が増える。組織間の連携が強化される。
  • お互いの活動や成果、失敗に対して、お互いに尊敬や感謝の気持ちを持つようになる。

グルリには不思議な力があり、あまり意識しなくても、実行が進む現象が起こります。なかには、「グルリがPDCAサイクルを引っ張ってくれる」という意見もでます。個々人でPDCAサイクルを回すという感じではなく、全体でPDCAサイクルを回すという感覚が芽生えます。

事前にグルリシート(振り返りシート)を記入してもらいますが、「グルリシートを書く時間が、一番心が落ち着く」という方もいらっしゃいました。シートを書きながら、じっくり内省されているのでしょう。シートはシンプルで誰でも書けるように思えるかもしれませんが、意外と難易度が高いです。

グルリをとおして「ありたい姿」「PDCAサイクル」を体験的に理解する

我々が研修やグルリを行う中で感じていることは、
・「ありたい姿」の概念を持ち合わせているマネジャーは4~5割程度
・「PDCAサイクル」の概念を持ち合わせているマネジャーは8~9割程度
だと考えています。

「ありたい姿」や「PDCAサイクル」の概念が薄いマネジャーは、火消し型の問題解決に終始してしまい、自分もメンバーも忙しさから脱却できません。もちろん、ありたい未来を創造することもできません。研修などで「ありたい姿」の概念は伝えるものの、実際には習得までに半年~2年ぐらいかかると思っており、研修だけでは習得は難しいと考えています。

「ありたい姿」については、「ある期日において、できている状態」ですが、やることが書かれている場合(◯◯の推進、◯◯の検討など)や、抽象度が高い表現(コミュニケーションの活性化など)になっているケースが散見されます。

「PDCAサイクル」については、Plan、DO、CheckとActionが一連の流れで表現されるべきですが、それぞれにバラバラなことを書かれる方が、少数ですがいらっしゃいます。

普段は把握することが難しい「ありたい姿が描けていないマネジャー」「PDCAサイクルが回っていないマネジャー」に、それぞれに自主的な気づきを促し、経験的にそれらを理解・定着させることができることが一番のメリットかもしれません。

「ありたい姿」に対して「PDCAサイクル」が回りだすと、発表を聴いていて「面白い」「興味深い」という感想になります。自己開示や協力体制が進むと、段々とグルリが楽しみになってきます。

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もっと詳しく知りたい方へ

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