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人材育成コラム
グループリフレクションの効果「心理的安全性の向上」
コラム記事
2023/12/27
グループリフレクション(以下、グルリ)は、PDCAサイクルを回すための仕組みで、2週間に1度、1チーム4人のグループでリフレクションを行います。自分自身の振り返りと他メンバーからのフィードバックを通して、お互いの成長を促す効果を期待できます。このコラムでは、グループリフレクションの効果「心理的安全性の向上」について解説します。
【関連コラム】
・グループリフレクションとは(グループリフレクションの概要はこちらをご覧ください)
・グループリフレクションの効果「PDCAサイクルの定着」
・グループリフレクションの効果「経験学習の定着」
心理的安全性は頭で理解するだけでは行動に移せない
上級管理職の育成、組織変革に関する世界的な権威であるティモシー・R・クラーク氏の書籍『4段階で実現する心理的安全性』によると、経営者やマネジャーが「本音を言える文化にしよう」と発言しても、とても実現できないと言っています。なぜなら、本音を言うことは、最もリスクの高い行動であり、社員は自分の地位が危うくなる可能性もあるからだと言っています。
私の見解では、心理的安全性は単に頭で理解して行動に移すことができるものではありません。むしろ、「この発言は危険だ」と感じる生存本能が、「本音を言わずに身を守る」という選択をしています。つまり、「体(生存本能)」や「感情」が危険を察知し、「本音」を言わないという選択をしていると考えています。
心理的安全性を感じる体験を積み重ねる
心理的安全性を感じるには、肉体的に(生存本能的に)「安全だ」と感じるまでの時間が必要だと思います。心理的安全性は、グルリの場を通じて体験を積み重ねることで養われます。
先述の書籍『4段階で実現する心理的安全性』では、心理的安全性を高めるために必要な4つのステップを次のように表現しています。
① インクルージョン安全性
インクルージョン安全性とは、お互いの個性を認め合い、一体感を持って働ける環境が整っている状態です。
② 学習者安全性
学習者安全性とは、学習のプロセスに参加し、質問し、実践し、ミスをしても安全を感じられる状態です。つまり、学びたいという欲求が満たされている状態です。
③ 貢献者安全性
貢献者安全性とは、自らの力で行動する人に対して、権限が委譲され、成功すれば賞賛を受け、失敗しても安全を感じられる状態です。
④ 挑戦者安全性
挑戦者安全性とは、現状を改善したい、変革したいと思った際に、安心して声を上げ、チャレンジできる状態です。
これらの段階を一つずつ登っていくことが必要です。経営者やマネジャーが、「挑戦せよ!」と直接指示しても、チャレンジが進まないのは、上記の①②③の心理的安全性が確保されていないためでしょう。
グループリフレクションの心理的安全性を高める仕組み
グルリは、以下の3つの向上を目指して設計されています。グルリの初回に「存在の安全性向上」を行い、2回目以降のグルリをとおして「学びの安全性向上」を目指し、お互いの成功や行動を賞賛することで「行動の安全性向上」を図ります。
① インクルージョン安全性(存在の安全性)
プライベートの話を共有し、互いの強みをフィードバックすることで、相手の見方が変わる体験や、心地よいフィードバックを受ける体験ができます。グルリの初回に実施します。
② 学習者安全性(学びの安全性)
相手の話を受け入れ、ポジティブなフィードバックを受けることで、無知や無能と評価される恐れがないことを体験します。これにより、素直な自己開示や質問が増えるようになります。
③ 貢献者安全性(行動の安全性)
成功や失敗の経験を共有することで、何をしているか、何に悩んでいるかを互いに理解できます。また、成功や失敗を賞賛し合うことで、実行への加速が生まれます。
初期段階ではファシリテーターが介入して、心地よいフィードバックの方法を指導します。最初は、発表者の問題点のみを指摘する現象や、フィードバックではなく自分の話ばかりする現象などが起きることがありますが、これらを修正しながら、相手のために捧げるフィードバックの練習を進めます。
やがて、互いに助け合う発言、賞賛の言葉、感謝の表現が増え、場の雰囲気が温かくなっていきます。そして、グルリは癒しの場へと変化していきます。
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もっと詳しく知りたい方へ
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