コラム

Vol.19 非金銭報酬を会社で用意しているか

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2009/09/29

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  1. 非金銭報酬を会社で用意しているか

非金銭報酬を会社で用意しているか

組織活性化のコンサルティングをしている、ある会社での出来事です。若手社員を中心に、現状の不満を情報収集し、その改善策を経営者と一緒に検討するプロジェクトを進めました。全社員からアンケートを取ると、報酬に対する不満が上位を占めました。

プロジェクトの場で、こんな質問をしました。
「会社に対する不平不満は、給与を上げたら全て解消すると思う人?」
ほとんど全員が手あげました。ほとんど全員が手をあげた瞬間に、ちょっと絶望的な感じがしました。働くことの楽しさを見つけられずに、会社は労働と報酬の交換の場だと感じているのか?ちょっと寂しくなりました。

この会社の背景に触れると、、、
公共事業などの土木工事関連の仕事をしており、現場に配属になると朝は早く夜は遅く、工期に仕上げるためには土日も無くなるという仕事です。肉体的にも、もちろんハードです。現場への配属が、社員一人+協力会社などになると、実質的な相談相手もなく寂しい思いをしていると思います。

そんなメンバーでプロジェクトを進めました。

討議を進めて行くと、、、
1.現場に行った時の相談相手が欲しい
2.上司がたまには現場に来て、自分の仕事の状況を評価して欲しい
3.一度も現場に来たことがない上司に、どうして自分の評価ができるのか
4.会社の方針を知りたい
5.自分達の育成ステップを明確にして欲しい
などの要望が出てきました。

最後のプロジェクトで、これらの要望に対して、経営側から回答をするというフェーズを迎えました。若手社員で色々情報交換もし、経営側も手を打てることはどんどん着手していくと、、、驚いたことに、一番「金だ!金だ!給料を上げて欲しい」と主張していた若手が「やはり、金ではない!」と主張し出しました。場が彼の発言で一瞬にして変わりました。

「会社の考えも分かったし、自分はそれで満足です」

私もほっとすると同時に、感極まりました。プロジェクトの場も明るくなりました。ずっと気になっていた若手が一人でも意識が変われば、私としてはプロジェクトは成功なのです。

ちなみに彼のアンケートコメントです。

PJを通じて、意識の改革・向上に繋がりました。社内では役職等で上下関係がありますが、そのような隔たりを無くして議論出来る場が設けられた事は大変素晴らしいと思いました。社内・組織の問題点を議論する事により、自分の考えを見直すと共に、他人の意見を聞いて自分を見つめ直す事も出来ました。限られたメンバー内ではありましたが、誰がどんな思いでどんな考えでいるのかを知る事もできて良かったと思います。PJが無くなっても、この気持ちを持ち続けていけたらいいと思います。ありがとうございました。

私が考える非金銭報酬とは、
1.会社の経営状況・方針に関する情報を伝えること
2.社員の育成の方向性に関する情報を伝えること
3.ちゃんと見守ること・認めること・褒めること
4.自由なコミュニケーションの場を、意図的に用意すること
5.そして、飲みにケーションも大事
こう考えています。それだけで、生産性が劇的に変わります。

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